京都市営バス九条営業所

京都市営バス九条営業所：歴史と路線網

京都市営バス九条営業所は、京都市南区に位置し、かつての京都市電九条車庫跡地を拠点としています。市内中心部と周辺地域を結ぶ重要な役割を担い、多くの路線を運行しています。

発展の歴史

1977年の開設以来、九条営業所は幾多の変遷を経てきました。当初は九条車庫を経由する循環系統や京都駅発着の均一系統が中心でしたが、2007年には北区西部と市内中心部を結ぶ路線が加わるなど、路線網は拡大を続けました。

1979年の八条営業所と北野支所の廃止、洛西営業所の開設に伴い、運行系統の大幅な変更が行われました。その後も、地下鉄烏丸線の開通(1981年)や、委託先の撤退(2020年)など、様々な要因によって路線の増減や移管が繰り返されてきました。2020年の委託先撤退を機に、運行・整備業務はすべて直営化され、現在に至ります。

主要路線の詳細

九条営業所は、多くの路線を運行していますが、その中でも特に重要な路線について、経路、概要、歴史を交えて詳細に説明します。

1. 5号系統・快速5号系統（銀閣寺線）: 岩倉操車場前から京都駅までを結ぶ路線で、銀閣寺道、南禅寺・永観堂道、岡崎公園美術館・平安神宮前など多くの観光地を経由します。かつては北白川地区まで運行されていましたが、白川通の延伸により岩倉操車場まで延長されました。2024年6月には快速5号系統が新設され、銀閣寺道から京都駅間を快速運転しています。

2. 6号系統・快速6号系統（千本線）: 京都駅から北区鷹峯地区を結ぶ路線です。46号系統と同様に市内中心部から千本通を経由しますが、利用者数、本数ともに少ないのが特徴です。2024年6月には快速6号系統が新設され、佛教大学の通学需要に対応しています。

3. 50号系統（北野線）: 京都駅から立命館大学前を結ぶ路線です。西洞院通、堀川通、中立売通を経由する経路は、かつての京都市電堀川線の跡をほぼたどっています。立命館大学への通学客や、二条城、北野天満宮といった観光客の利用も多いです。

4. 58号系統: 京都水族館・梅小路公園・京都鉄道博物館から京都駅八条口・九条車庫前を結ぶ路線です。四条大宮～九条車庫前間は特207乙入号と同経路であり、207号系統の補助的な役割を果たします。

5. 71号系統・特71号系統（梅津線）: 京都駅八条口アバンティ前から右京区西院・梅津地区を結ぶ路線です。かつてのトロリーバス路線をたどっており、右京区梅津地区の大工場への通勤客の利用も多いです。


6. 88号系統: 九条車庫前、京都駅八条口、東福寺と京都駅を結ぶ路線です。


7. 202号系統・快速202号系統（九条・丸太町循環線）: 九条車庫前を起終点とし、九条通、東山通、丸太町通、西大路通を循環する路線です。東側は観光客利用が多く、西側は通勤利用が多いのが特徴です。


8. 205号系統・快速205号系統（河原町・西大路循環線）: 九条車庫前を起点とし、京都駅、河原町通、北大路通、西大路通、七条通を一周する長大路線です。京都市営バスの中でも最も乗客数が多い路線です。


9. 207号系統（南部循環線）: 九条通、東山通、四条通、大宮通を循環する路線です。京都駅は通らないものの、旧市街南部地域と京都市の都心部を結ぶ重要な路線です。


10. 208号系統（九条・七条循環線）: 九条通、東山通、七条通、西大路通を循環する路線です。循環系統の中では利用者数・運転頻度が最も低い路線です。

過去の路線

九条営業所では、上記の路線以外にも多くの路線が運行されてきましたが、利用客減少や路線再編などにより廃止された路線も多くあります。

車両

九条営業所には、多くの車両が所属しており、近年では一般競争入札により国産4メーカーの車両が導入されています。低公害バスの導入も進んでおり、環境にも配慮した運行が行われています。

まとめ

京都市営バス九条営業所は、京都の街の発展とともに歩み、現在も市内各地を結ぶ重要な役割を担っています。歴史と路線網の変遷、そして現在運行されている各路線の特徴を理解することで、京都市営バスの役割の大きさを改めて知ることが出来るでしょう。

もう一度検索