京都産業大学馬術部

京都産業大学体育会馬術部

京都産業大学体育会馬術部（きょうとさんぎょうだいがく たいいくかい ばじゅつぶ、Kyoto Sangyo University Equestrian Team）は、京都産業大学体育会に属し、さらに京都府馬術連盟、関西学生馬術連盟、全日本学生馬術連盟、日本馬術連盟といった国内外の主要な馬術関連団体に加盟している大学馬術チームです。

このチームの歴史は、大学開学の1965年より前に遡ります。創設者である荒木雄豪氏（大学創設者・初代総長 荒木俊馬の長男）の多大な尽力によって、大学の開設を待たずに実質的な活動が開始されました。そして、1965年4月の大学開学と同時に、大学の課外活動クラブの第一号として正式に創部されたのです。長い歴史の中で、馬術部には貴重な品が保管されています。それは、1928年のアムステルダムオリンピックに出場し、日本馬術の礎を築いた遊佐幸平氏が、オリンピック出場当時に購入したとされるエルメスの鞍です。

概観と体制

名称: 京都産業大学体育会馬術部
設立: 1965年（昭和40年）4月21日
指導者: 現在の体制は、部長 小林一彦氏、監督 水野慶治氏、コーチ 谷口泱氏、古澤康史氏、技術顧問 内門陽司氏、相談役 林半次氏、長谷川倫太郎氏によって構成されています。

施設

本拠地は、京都産業大学総合グラウンド内（〒603-8002 京都府京都市北区上賀茂神山1番地）にあります。施設は馬術競技を行うための環境が整っており、

馬場敷地: 60×100m
厩舎建坪: 1,600m²
馬房数: 20馬房
附属施設: バンケット、水濠、ナイター設備、シャワー施設、会議室、飼料庫、仮厩舎2棟などが完備されています。

創部と沿革

馬術部の創設者である荒木雄豪氏（1925年-2012年9月2日）は、大学の創設者である荒木俊馬氏の長男という立場にありながら、自ら馬術に深く関わりました。京都府馬術連盟の初代理事長を務めたほか、選手としても1960年の第17回ローマオリンピック、1968年の第19回メキシコシティオリンピックに出場した実績を持つ人物です。

チームの歩みは以下の通りです。

1965年4月21日: 京都産業大学開学と同時に馬術部が開部。荒木学長をはじめとする大学関係者、指導者、部員らによって開部式が執り行われました。
1965年7月: 2代目となる厩舎へ移転（京都乗馬クラブ）。
1967年2月: 3代目、4代目となる厩舎へ移転（現厩舎北川崖下敷地）。
1968年12月: 現在の厩舎が完成し、移転。
1969年: 全日本学生馬術大会において、団体競技で優勝を果たしました。

大学との密接な関係と功績

京都産業大学体育会馬術部は、その設立の経緯から、大学そのものと非常に深く結びついています。開学と同時に活動を開始した馬術部は、創設者・荒木雄豪氏を慕って集まった情熱的な部員たちの活躍により、瞬く間に全日本馬術の選手権を獲得し、学生馬術界のトップレベルへと躍り出ました。これは、当時新設されたばかりの大学の知名度を全国に広める上で非常に大きな功績となりました。

開学当時の学内は、鉄筋造りの本館がある程度で、広大な敷地の多くは整備されていませんでした。その中で馬術部は、大学の「広告塔」として目覚ましい活躍を見せ、この成功に触発される形で他の体育会系クラブや文化系クラブの活動も活発化しました。馬術部の活躍は、まさにキャンパス全体に活気をもたらす原動力となったのです。

活動内容

馬術部は競技活動に加え、地域や学内への貢献活動も行っています。

地域連携・社会貢献: 2003年からは、不登校の児童・生徒を対象とした「ふれあい教室」を実施しています。また、馬との触れ合いを通じた「アニマルセラピー」は、大学の地域連携モデル創造支援事業にも認定されています。
学内教育協力: 京都産業大学の体育教育科目である「馬術」の授業サポートや、市民講座・生涯学習としての「スポーツ教室 馬術コース」に協力しています。

主な出身者

京都産業大学体育会馬術部からは、様々な分野で活躍する多くの人材を輩出しています。

実業界: 堀尾容造氏（ミヨシ油脂代表取締役社長）、渕上巌氏（京セラソーラーコーポレーション代表取締役専務）など。
競馬界: 宮本博氏、大久保龍志氏、鈴木孝志氏、高柳大輔氏（以上JRA調教師）、飯田良弘氏（園田競馬調教師）といった調教師を数多く輩出しています。
* 競技者: 佐渡一毅氏（東京2020オリンピック馬場馬術日本代表選手）など、国内外の競技会で活躍する選手も出ています。

このように、京都産業大学体育会馬術部は、輝かしい競技実績と共に、大学の発展に寄与し、地域社会や馬術界全体にも貢献する伝統あるクラブとして、その存在感を示しています。

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