遊佐幸平

遊佐幸平：馬術界の巨星、その生涯と功績

遊佐幸平（ゆさ こうへい）は、明治から昭和にかけて活躍した日本の陸軍軍人であり、卓越した馬術家として知られています。その功績から「馬の神様」と称えられました。1883年7月25日に宮城県で生まれた遊佐は、陸軍騎兵少尉として日露戦争に出征し、その戦功により個人感状を授与されました。彼の才能は、単なる騎兵としての能力にとどまらず、個人技としての馬術、調教、さらには馬政の分野においても多大な貢献をしました。最終階級は陸軍少将にまで昇進しました。

生い立ちと軍歴

遊佐は1883年に宮城県鳴子村湯元（現在の大崎市鳴子温泉湯元）で誕生しました。1901年7月に仙台陸軍幼年学校を卒業後、1904年10月には陸軍士官学校を卒業し、騎兵少尉に任官。その後、騎兵中尉、騎兵大尉と昇進を重ね、1917年には陸軍[[騎兵学校]]の馬術教官に任命されました。1921年には騎兵少佐、1925年には騎兵中佐となり、着実に軍人としてのキャリアを積んでいきました。

オリンピックと馬術への貢献

遊佐は、軍人としての活動と並行して、馬術家としても国際的な舞台で活躍しました。1928年のアムステルダムオリンピックでは馬場馬術個人で28位に入賞。1932年のロサンゼルスオリンピックと1936年のベルリンオリンピックでは馬術役員を務め、日本の馬術競技の発展に尽力しました。また、1952年のヘルシンキオリンピックでは日本選手団の馬術監督、1956年のメルボルンオリンピックでは日本選手団の馬術団長として、後進の指導にもあたりました。

馬政への貢献

遊佐は、1937年に軍馬補充部本部長に就任し、軍馬の育成にも深く関わりました。1938年には予備役となり、満州国馬政局長として馬政に携わりました。その間、満州における馬産の発展に尽力し、数々の研究資料を発表しました。彼の馬政における貢献は、日本の馬術界の発展に欠かせないものでした。

晩年と遺産

1947年には公職追放の仮指定を受けましたが、1955年にはその功績が認められ、紫綬褒章を受章。1966年11月25日にその生涯を閉じました。遊佐幸平は、単なる軍人や馬術家としてだけでなく、馬術と馬政の両面から日本の発展に貢献した偉大な人物でした。

著作活動

遊佐は、その豊富な知識と経験を活かし、数多くの著作を残しました。

『馬術及馬事』（1921年）
『遊佐馬術』（1940年）
『続・遊佐馬術』（1943年）
『御相随筆』（1932年）
『馬政局執務参考資料』（1941年）
『馬事論叢』（1943年）
『馬狂放談』（1958年）
翻訳書『フィリス氏の馬術』（1929年）

これらの著作は、彼の馬術に対する深い洞察と情熱を今に伝えています。

遊佐幸平の人物像

遊佐幸平は、その卓越した馬術の腕前だけでなく、馬に対する深い愛情と情熱を持った人物でした。彼の指導を受けた弟子の中には、西竹一のような名手もいます。また、愛馬である「白雪」は御料馬として知られています。遊佐は、まさに「馬の神様」と呼ぶにふさわしい、馬術界の偉人でした。

まとめ

遊佐幸平は、軍人、馬術家、馬政家として多岐にわたる分野で活躍し、日本の馬術界に多大な貢献をしました。その功績は、現代においても高く評価されており、彼の残した知識と精神は、後世に受け継がれていくでしょう。

もう一度検索