京都見廻組

京都見廻組

概要

京都見廻組（きょうとみまわりぐみ）は、江戸時代末期の1862年に幕臣によって設立された治安維持組織です。主に反幕府勢力の動向を監視する役割を担っていました。

創設の背景

文久二年（1862年）、幕府は京都守護職を設置し、反幕府勢力の活動が衰退している状況を踏まえ、再び治安の悪化を防ぐために京都見廻組を新たに設立しました。元治元年（1864年）には、会津藩の松平容保の配下として蒔田廣孝と松平康正の二人が見廻役に任命され、それぞれの組（相模守組と出雲守組）を結成し、約200名の隊士を指揮しました。詰所は二条城の近くに置かれ、与頭や隊員は旗本や御家人から構成されていました。

役割と活動

京都見廻組と新選組は、共に反幕府勢力の取り締まりを行っていましたが、それぞれ担当する地域が異なり、見廻組は御所や官庁街を管理していました。一方、新選組は町人街や歓楽街を管轄していたため、共同で行動することが少なく、時には身分の違いから対立も生じていました。見廻組は剣術に優れた旗本の次男や三男を中心に隊士を募っていました。

初期は特別な規律が設けられていませんでしたが、後に見廻役から出された「京都見廻役勤中心得方」により、その行動規範や心構えが明示されました。また、私的依頼での行動は信頼を損なうことから禁止されました。

坂本龍馬暗殺事件

京都見廻組の名を語る重要な出来事が、坂本龍馬の暗殺です。大政奉還後、相模守組の与頭である佐々木只三郎は、龍馬を討つために6名の志士を選抜しました。慶応3年11月15日、近江屋において龍馬と中岡慎太郎を討ち取ることに成功しました。当初は新選組の仕業と疑われましたが、物証はなく、明治3年に今井信郎が自白したことで見廻組の関与が明らかになったのです。この動機は、1866年の寺田屋事件に起因し、龍馬を捕らえようとしたことから実行されました。

組織の崩壊

その後、慶応3年12月に見廻組は新遊撃隊と改称され、戊辰戦争にも参加しました。しかし、鳥羽・伏見の戦いでは備えのなかったために苦戦し、その後は旧幕軍と共に撤退を余儀なくされました。1868年には狙撃隊に改称されましたが、同年5月、新政府により旧幕軍の組織が解体されることとなり、多くの隊士は解雇されます。解散したにもかかわらず、今井信郎らは戦いを続け、最終的には戊辰戦争の一環としての箱館戦争で降伏するまで活躍しました。

年表

元治元年（1864年）から慶応4年（1868年）までの歴史を通じて、多くの出来事が見廻組の歴史に影響を与えました。特に坂本龍馬暗殺や戊辰戦争での戦闘が重要な節目となりました。

文化的影響

京都見廻組に関連する作品も多く、一般に知られる小説や映画には、早乙女貢の『竜馬を斬った男』や映画『竜馬を斬った男』、漫画『銀魂』などがあります。これらの作品を通じて、見廻組の歴史は今なお語り継がれています。

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