人民解放軍駐マカオ部隊

人民解放軍駐マカオ部隊は、マカオ特別行政区の防衛を担う中国人民解放軍の部隊です。この部隊は、1999年のマカオ返還に伴い、中国本土から派遣されました。

歴史

1975年12月31日にポルトガル軍が撤退した後、マカオは軍事的に空白地帯となりました。この状況を受け、中国政府はマカオの防衛と治安維持を目的として、人民解放軍の部隊を派遣することを決定しました。1999年4月10日、広州軍区の各部隊から抽出された人員により駐マカオ部隊が編成され、同年6月28日には「中華人民共和国澳門特別行政区駐軍法」が全国人民代表大会常務委員会で可決されました。同年11月10日に部隊の編成が完了し、12月19日には江沢民主席（当時）が駐マカオ部隊への進駐命令を下しました。翌20日正午、劉粤軍司令官以下約500名の部隊が珠海駐屯地からマカオに進駐し、新口岸の龍成大廈を臨時駐屯地としました。駐マカオ部隊は、中国人民解放軍が特別行政区に派遣した2番目の部隊となりました。

2002年には、氹仔（タイパ）の望徳聖母湾大馬路に駐屯地が完成しました。さらに2004年12月3日には、新口岸に司令部ビルが完成し、「解放軍駐澳門部隊総部大廈」と命名されました。

2017年8月25日、マカオは台風13号（ハト）によって甚大な被害を受けました。これを受け、マカオ政府の崔世安行政長官（当時）が中国政府に人民解放軍の災害出動を要請しました。これに応じて、駐マカオ部隊ががれき撤去などの救援活動を行うために出動しました。これは、マカオ返還後初の人民解放軍による災害出動となりました。

編成・規模

駐マカオ部隊の規模は約1000人です。主力は陸軍ですが、少数ながら空軍、海軍の将兵も含まれています。現在の司令官は祝慶生大校、政治委員は許進林少将です。

装備

駐マカオ部隊は、以下の様な装備を保有しています。

92式手槍（拳銃）
05式軽型衝鋒槍（短機関銃）
09式軍用散彈槍（ショットガン）
95式自動歩槍（歩兵銃）
CS/LR4（狙撃銃）
92式装輪装甲車

歴代司令員

劉粤軍（1999年4月 - 2002年2月）
劉聯華（2002年2月 - 2008年2月24日）
王玉仁（2008年2月24日 - 2010年4月14日）
祝慶生（2010年4月14日 - 2014年7月17日）
王文（2014年7月17日 - 現在）

歴代政治委員

賀賢書（1999年4月 - 2001年1月）
劉良凱（2001年1月 - 2004年1月）
楊忠民（2004年1月 - 2006年9月）
李文潮（2006年9月 - 2007年9月5日）
趙存生（2007年9月5日 - 2008年9月）
許進林（2008年9月 - 2013年3月）
馬必強（2013年3月 - 2014年12月）
* 張智猛（2014年12月 - 現在）



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