人間の証明のテーマ

人間の証明のテーマ

「人間の証明のテーマ」は、1977年公開の角川映画『人間の証明』の主題歌として、ジョー山中によって歌われた楽曲です。1977年8月10日にリリースされ、映画とともに大ヒットを記録しました。

楽曲の成立

この曲は、映画の中でも重要な役割を果たす西條八十の詩「帽子」を、角川春樹が英訳し、それを基にジョー山中が歌詞を制作、大野雄二が作曲するという形で誕生しました。ジョー山中は、映画本編にも黒人青年役として出演しています。

映画公開前から、テレビやラジオで大量にスポット広告が流れ、その中で西條八十の原詩がナレーションとして使用されました。「母さん、僕のあの帽子、どうしたでしょうね?」というフレーズは、当時の流行語にもなりました。映画自体の興行収入も22億5000万円を記録する大ヒットとなり、この曲はジョー山中にとって初のオリコンチャート入り（最高2位）を果たし、生涯最大のヒット曲となりました。

レコーディング

レコーディングは1977年6月17日の夜10時30分から、サウンド・シティ・スタジオで行われました。山中の仲間であるギタリストの石間秀樹、キーボードの篠原信彦も参加し、ベーシック録音では山中の歌も加わりセッションが始まりました。順調に進み数テイクで終了しかけたものの、ベースの後藤次利がスタジオを出るタイミングで録り直しとなり、再度全員で臨んだ結果、一発OKとなり、そのテイクが採用されました。翌18日午後6時からはボーカル録音が行われました。映画本編で使用されたテーマ曲は別テイクで、音源化はされていません。

ミリオンセラーとその後

「人間の証明のテーマ」はミリオンセラーを達成しました。また、2001年には、テレビ東京で放送されたテレビドラマ『人間の証明2001』でも、制作側の意向により本楽曲が使用されました。2017年には、テレビ朝日系スペシャルドラマ『人間の証明』の主題歌として、EXILE ATSUSHIによってカバーされています。TBSラジオの番組『問わず語りの神田伯山』のオープニング曲としても使用されています。

エピソード

ジョー山中は、この曲のヒット中に大麻取締法違反で逮捕されたため、テレビで歌うことができなくなりました。原作者の森村誠一はラジオでこの曲をリクエストしましたが、放送は断られたそうです。そのため、この曲はレコードを購入する以外に聴く手段がなくなり、結果としてレコードの売上がさらに伸びたと言われています。

また、日本アカデミー賞が始まった年で、映画もノミネートされていましたが、受賞できなかったのはこの事件が影響していると大野雄二は語っています。

収録曲

SIDE 1
THEME FROM "PROOF OF THE MAN" (人間の証明のテーマ) / JOE YAMANAKA (4:17)
原詩：西條八十「帽子」より、英訳：角川春樹、英詞：ジョー山中

SIDE 2
THEME FROM "PROOF OF THE MAN" (Instrumental) (人間の証明のテーマ) インストゥルメンタル / YUJI OHONO & HIS PROJECT (4:39)

クレジット

収録アルバム
「人間の証明」オリジナル・サウンドトラック
角川映画スぺシャル

カバー

EXILE ATSUSHI (2017年)

外部リンク

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