仁壁神社

仁壁神社（にかべじんじゃ）

仁壁神社は、山口県山口市三の宮に鎮座する神社です。古くは周防国三宮として知られ、現在も地域の人々から崇敬を集めています。延喜式神名帳にも記載される式内社であり、その歴史は深く、数々の変遷を経て現在に至ります。

祭神

現在の仁壁神社では、以下の神々が祀られています。

主祭神
右殿：下照姫命（したてるひめのみこと）
中殿：表筒男命（うわつつのおのみこと）・中筒男命（なかつつのおのみこと）・底筒男命（そこつつのおのみこと） - 住吉三神として知られています。
左殿：味耜高彦根命（あじすきたかひこねのみこと）
配祀神
瑞珠殿：神産日神（かみむすびのかみ） ほか7柱

創建当初の祭神については諸説あり、下照姫命とする説や、味鋤高彦根命を主神とし下照姫命を相殿神として住吉三神を合祀するとする説があります。

歴史

創建時期は不詳ですが、社伝によれば崇神天皇7年に神封戸が定められた際に宮野庄が神封戸として与えられたとされています。元々は宮野下村に鎮座していましたが、長治元年（1104年）に現在地で玉光が飛ぶという奇瑞があり、現在地に遷座されました。

国史には、天安2年（858年）に「仁壁神」の神階が正六位上から従五位下に、貞観9年（867年）には「仁璧神」の神階が従四位下に昇叙されたことが記されています。延長5年（927年）成立の『延喜式』神名帳には「仁壁神社」として記載され、式内社に列しています。

その後も神階は昇叙を重ね、正三位に達しました。建久6年（1195年）の記録には「仁戸宮社」とあり、社領に関する記述も見られます。

周防国においては、古くから玉祖神社、出雲神社に次ぐ三宮として位置づけられ、大内氏をはじめとする有力者の崇敬を受けました。しかし、永禄12年（1569年）には大内輝弘の乱により焼失、その後毛利輝元によって再建されました。さらに正徳2年（1712年）にも再び社殿を焼失しましたが、享保5年（1720年）に毛利吉元によって再建されています。

明治維新後、明治6年（1873年）に県社に列格しました。しかし、平成9年（1997年）には放火により社殿を焼失するという悲劇に見舞われましたが、氏子や地域住民の尽力により、本殿、拝殿・幣殿、神楽殿が再建されました。

境内

境内には、再建された本殿や拝殿のほか、神楽殿などがあります。静かで落ち着いた雰囲気の中、歴史を感じることができます。

文化財

山口市指定文化財
木造獅子頭（彫刻）：江戸時代初期、慶長13年（1608年）の作。総長55.7センチメートル。

かつては本殿も山口県指定有形文化財でしたが、平成9年の火災で焼失しました。

交通アクセス

* 鉄道：JR山口線 上山口駅または宮野駅下車

仁壁神社は、長い歴史の中で幾多の困難を乗り越え、現在も地域の人々の心の拠り所として存在し続けています。その荘厳な雰囲気と豊かな自然に触れ、歴史の重みを感じてみてはいかがでしょうか。

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