今出川公直

今出川公直（いまでがわ きんなお）は、南北朝時代から室町時代初期にかけて朝廷に仕えた公卿であり、今出川家三代目の当主です。父は権大納言を務めた今出川実尹。公直は、後村上天皇から後小松天皇に至るまでの激動の時代に、その生涯を捧げました。

経歴

延元2年/建武4年（1337年）に叙爵し、公直は朝廷でのキャリアをスタートさせました。侍従、左近衛少将、備後介、左近衛中将といった官職を歴任し、着実に昇進を重ねます。正平4年/貞和5年（1349年）には従三位に叙され、ついに公卿の仲間入りを果たしました。

その後も、参議や権中納言、検非違使別当などの要職を歴任し、その才能と手腕を発揮。正平14年/延文4年（1359年）には、権大納言に任じられ、朝廷内での地位をさらに高めました。大納言、右近衛大将、内教坊別当といった重要な役職も経験し、天授3年/永和3年（1377年）には内大臣に任命されます。

弘和元年/永徳元年（1381年）には、従一位へと昇叙。これは公直の長年の功績が認められた結果と言えるでしょう。応永元年（1394年）には右大臣に任じられますが、すぐに辞任。翌年には左大臣に任命されるも、こちらもすぐに辞しています。これは、当時の朝廷内の複雑な権力闘争や、公直自身の政治的な判断によるものと考えられます。

系譜

父：今出川実尹（1316-1342）
母：為基朝臣の娘
妻：不詳
養子：今出川実直（1342-1396） - 今出川実尹の子

公直は実子に恵まれなかったため、今出川実尹の子である実直を養子に迎え、今出川家の家督を継がせました。実直もまた、公卿として朝廷に仕え、今出川家の家名を高めることに貢献しました。

今出川公直は、激動の南北朝時代から室町時代初期にかけて、朝廷の中枢で活躍した人物です。その長きにわたるキャリアの中で、数々の重要な役職を歴任し、朝廷の運営に大きく貢献しました。彼の功績は、今出川家の歴史においても特筆されるべきものであり、後世に語り継がれています。

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