今出川実尹

今出川実尹（いまでがわ さねただ）は、鎌倉時代後期から建武新政期にかけて朝廷に仕えた公卿です。公家社会において重要な地位を占め、その生涯は政治と文化の両面で多岐にわたる活動によって彩られています。

経歴

元亨2年（1322年）には、雅歌琵琶の秘曲を伝授されるという、音楽における才能も示しました。嘉暦3年（1328年）には従三位に叙せられ、公卿としての地位を確立します。その後、左近衛中将や権中納言といった要職を歴任し、建武元年（1334年）には後醍醐天皇の中宮である珣子内親王（後伏見天皇の皇女）の中宮権大夫に任じられました。同年には雅楽頭も兼務し、朝廷における音楽を司る役割も担いました。しかし、延元2年/建武4年（1337年）に珣子内親王が崩御されたことに伴い、中宮権大夫を辞職しました。その後、延元4年/暦応2年（1338年）には権大納言に任じられています。

系譜

実尹は、今出川兼季（1281-1339）を父に、西園寺公顕の娘を母に持ちます。妻は三条実忠の娘であり、彼との間に多くの子をもうけました。生母不明の子女として、今出川公直（1335-1396）と今出川実直（1342-1396）がいます。

今出川家と菊亭家

今出川家は、公家の中でも名門として知られています。また、今出川家は菊亭家とも深い関わりがあります。これらの家系は、代々朝廷に仕え、日本の歴史と文化に貢献してきました。

今出川実尹の生涯は、鎌倉時代から室町時代へと移り変わる激動の時代を背景に、公家社会における重要な役割を担った人物として、その足跡を今に伝えています。

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