今村与志雄

今村 与志雄

今村与志雄（いまむら よしお）は、1925年1月15日に東京に生まれ、2007年1月22日に亡くなった著名な中国文学者です。彼は日本における中国文学の研究に多大な貢献をし、特に魯迅に関する研究で知られています。彼の研究は古典から近現代まで幅広く及び、中国文学のさまざまな側面を深く探求しました。

経歴

今村は1943年に東京府立第六中学校を卒業し、その後東京大学文学部の中国文学科に進学しました。彼の学問的な基盤はこの大学で築かれ、学びに取り組んだ後は東京都立大学の助教授として教鞭をとりました。しかし、学園紛争が発生した際、彼は辞職することになりました。学界内では中国社会文化学会の会員としても活動しており、その影響力を広げていきました。

研究内容・業績

彼の研究は中国文学全般に対する深い理解に基づいています。特に魯迅の作品については、その思想や文学スタイルに関する詳細な研究を行い、日本における魯迅文学の紹介や理解を深めることに貢献しました。古典作品にも力を入れ、特に伝奇小説などの翻訳を手掛けることで、日本の読者に中国文学の魅力を伝えました。

著作

今村の著作には多くの翻訳や編著作品があります。代表的な著書としては、2006年に汲古書院から出版された『橋川時雄の詩文と追憶』があります。

翻訳作品

彼の翻訳活動においては、以下の作品が特に重要です：

• - 『魯迅の故家』（周遐寿、松枝茂夫共訳、筑摩書房, 1955）
• - 『太平天国』（オーガスタス・リンドレー、増井経夫共訳、平凡社東洋文庫、全4巻, 1964-65）
• - 『熱河日記 朝鮮知識人の中国紀行』（朴趾源、平凡社東洋文庫、全2巻, 1978）
• - 『酉陽雑俎』（段成式、平凡社東洋文庫、全5巻, 1980-81）
• - 『唐宋伝奇集』（岩波文庫、上下, 1988）
• - 『中国小説史略』（魯迅、ちくま学芸文庫、上下, 1997）

彼の翻訳は、読者に多様な中国文学作品を提供し、文化交流に寄与しました。また、彼の業績は中国文学のみならず、広く文学界にも影響を及ぼしました。今村与志雄の研究は今日の中国文学研究にも重要な足跡を残しています。彼の功績は、後の世代に引き継がれ、今でも多くの研究者や学生に影響を与え続けています。

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