今治タオル工業組合とは？意味をやさしく解説

今治タオル工業組合

今治タオル工業組合は、愛媛県今治市、西条市、松山市を中心としたタオルメーカーが加盟する業界団体です。その歴史は古く、1952年の中四国タオル調整組合設立に遡ります。幾度かの名称変更や組織再編を経て、2017年に現在の「今治タオル工業組合」となりました。

歴史

1952年11月 - 中四国タオル調整組合を設立。
1958年6月 - 「四国タオル工業組合」に改組。
1964年8月 - 出資組合に移行。
1968年 - 愛媛県今治市旭町にタオル会館を建設し、事務所移転。
1990年 - 株式会社今治繊維リソースセンターを設立。
1991年3月 - テクスポート今治が完成し、事務所移転。
2001年5月 - 今治商店街にアンテナショップ「タオルショップSTIA」オープン（2004年3月営業終了）。
2003年4月 - 今治市と姉妹都市提携を結ぶ群馬県太田市にタオルショップ「タオルファクトリーいまばり」オープン(2006年8月閉店)。
2006年 - 「今治タオルプロジェクト」開始。
2011年5月 - 今治タオル今治国際ホテル店オープン。
2012年
3月 - 今治タオル本店リニューアルオープン。
6月 - 今治タオル南青山店オープン。
2016年3月 - 今治タオル松山エアポートストア（松山空港内）オープン。
2017年1月 - 「今治タオル工業組合」に改組。
2022年4月 - タオル業界の製造技術者を育成する今治タオルアカデミー開講。
2023年7月 - タオル縫製士を育成するタオル縫製士養成所を開所。

組合員数

最盛期の1976年には500社ものタオルメーカーが加盟していましたが、安価な海外製品の輸入増加により、倒産や撤退が相次ぎました。2016年には110社、2019年には104社、2022年4月には95社まで減少しています。

主な加盟企業

IKEUCHI ORGANIC
今治繊維リソースセンター
菅英紋織
楠橋紋織
工房織座
コンテックス
城南織物
田中産業
田ノ窪タオル工業
丹後
壷内タオル
ハートウエル
藤高
七福タオル
正岡タオル
丸栄タオル
丸山タオル
みやざきタオル
吉井タオル

主な取り組み

セーフガード発動の申請

中国からの安価なタオル製品の輸入に対抗するため、2001年に日本タオル工業組合を通じてセーフガードの発動を経済産業省に申請しましたが、実現には至りませんでした。

今治タオルプロジェクト

2006年からは、地域ブランドの確立を目指す「今治タオルプロジェクト」が開始されました。クリエイティブ・ディレクターの佐藤可士和氏を総合プロデューサーに迎え、ブランドイメージの向上や販路拡大など、様々な取り組みが行われています。組合が定める基準をクリアした製品には、ブランドマーク＆ロゴの使用が許可されます。また、タオルに関する知識を問う「タオルソムリエ資格試験」の実施や、国内外の見本市への出展なども積極的に行っています。

プロジェクトの経過

2006年6月 - 今治タオルプロジェクトが「JAPANブランド育成支援事業」に採択。
2007年
2月 - 今治タオルプロジェクト展で、「今治タオル」のロゴマークを発表。
6月 - 「今治見本帳100」を発表。
7月 - 「今治タオル」を商標登録（地域団体商標）。
9月 - タオルソムリエ資格試験を開始。伊勢丹新宿店での常設販売開始。
2008年10月 - 第1回タオルマイスター叙任式を実施。
2009年9月 - フィンランドの見本市「ハビターレ09」に出展。
2010年10月 - 今治タオルブランドマニュアルを作成。
2011年
1月 - イタリアの見本市「macef展」に出展。
8月 - 中国の見本市「第6回上海国際ギフト展」に出展。
2012年6月 - 今治タオル南青山店がオープン。
2013年11月 - 台湾のスイーツイベントに出展。

このブランディング戦略の結果、1991年から減少していた今治タオルの生産量は2009年を底に増加に転じました。認知度も大幅に向上し、地域経済の活性化に貢献しています。

ベトナム人技能実習生の過酷労働問題への対応

2019年には、今治市内のタオル工場におけるベトナム人技能実習生の過酷な労働環境が報道され、社会問題となりました。組合は、問題の工場が組合の加盟企業ではないものの、下請け企業の工場であったことを認め、謝罪しました。その後、「今治タオルコンプライアンス委員会」を立ち上げ、労働環境の改善と法令遵守の徹底に取り組んでいます。

参考文献

今治タオルプロジェクト(pdf) - 四国タオル工業組合（2011年5月18日）

外部リンク

* 今治タオル工業組合

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