仙石秀範

仙石 秀範（せんごく ひでのり）

仙石秀範は、安土桃山時代から江戸時代の初期にかけて活躍した武将で、江戸時代前期の重要な人物の一人です。豊臣秀久の次男として近江国に生まれ、武将としての道を歩みました。彼の官位は従五位下・豊前守に任じられ、幼名は主馬でした。

前半生の歴史

秀範は文禄元年（1592年）に豊臣秀吉に拝謁し、その後、御番衆に任命されました。このことは、彼が豊臣政権の中で重要な役割を果たすことを示唆しています。同年の3月25日からは肥前名護屋城に在番を命ぜられました。文禄4年（1595年）には近習に取り立てられ、武将としてのキャリアを重ねていきます。

慶長4年（1599年）、五大老の連名で3千石を与えられ、従五位下・豊前守に叙任されました。しかし、慶長5年の関ヶ原の戦いでは西軍に加担したため、戦後には改易され、浪人としての生活を余儀なくされました。これは『大坂陣山口休庵咄』に記録されています。一方で、父である秀久と共に上田城攻めに参加したという伝承も存在しています。

慶長17年（1612年）には、父の意向に反し剃髪して宗也斎と名乗りました。家督が譲られないことを悟った秀範は、徳川家康に扶持を求め駿府に出向きましたが、彼の訴えは却下されました。その後、秀久により勘当され、豊臣秀頼から扶持を受けたものの、京新町通り二条にて手習いの師匠として教鞭を取っていたことが伝えられています。

大坂の陣での活動

慶長19年（1614年）10月2日、秀範は一族の堀田盛重に勧誘され、大坂城に入城しました。この時、彼は3万石に遇されたとのことです。『土屋知貞私記』ではこの時の秀範の年齢を54、5歳と記されていますが、実際には40歳前後であったと考えられています。また、彼は長宗我部盛親、真田信繁、毛利勝永、後藤基次、明石全登らと共に新参衆として参加しました。

慶長20年（1615年）の大坂夏の陣においては、5月6日に京極高知・忠高隊に向かうも、石川忠総の隊に突き崩されるという苦しい局面を迎えます。最終的に大坂城が陥落すると、秀範は丹波に逃走しましたが、その後の消息は不明となります。

また、彼の嫡男である長太郎は潰れた先で捕らえられ、慶長20年閏6月26日、引き回しの末に処刑されるという悲劇が待っていました。しかし、秀範の娘・徳子は大坂の落城後、叔父の仙石忠政に預けられ、寛永12年（1635年）に亡くなっています。

このように、仙石秀範の生涯は戦国時代の tumultuousな時代を背景にしたものであり、特に大坂の陣における彼の行動は、歴史的な重要性を持っています。彼の人生は、戦の流れが一人の武将に与える影響や、その波々の中での人間関係の複雑さを浮き彫りにしています。

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