令狐彰

令狐彰の生涯と業績

令狐彰（れいこ しょう、生年不詳 - 773年）は、唐代において活躍した優れた軍人であり、特に反乱軍との戦いで顕著な成果を上げた人物です。彼の本貫は京兆府富平県で、字は伯陽と呼ばれていました。

出自と成長

令狐彰は、鄧州録事参軍を務めた令狐濞の子として生まれました。令狐濞は、令狐徳棻の曽孫であるため、彼自身も名門の血を引いていたことが伺えます。幼少期は母方の家で育ち、幽州で教育を受けながら過ごしました。彼は非常に才気に恵まれ、文才もあり、幅広く書物を読み漁ったことで、知識が豊富でした。また、弓矢の技術にも長けており、これは彼が軍に従軍する際の大きな武器となりました。

軍人としての道

彼の軍人としてのキャリアは、安禄山に仕えたことから始まりました。天宝年間にはその軍功が評価され、左衛員外郎将に任命されましたが、安禄山による反乱の勃発により、令狐彰は大きな試練を迎えることとなります。

反乱軍の将である張通儒に従って長安へ進行した令狐彰は、城内において左街使としての役割を担うことになりました。しかし、757年の至徳2年には、唐の軍が長安や洛陽を奪還すると彼は張通儒らとともに河朔地方へ逃れることとなりました。

その後、彼は史思明のもとで博州刺史と滑州刺史を務め、数千の兵を率いて白馬県に駐屯しましたが、この時期も多くの困難に直面しました。

唐への帰順とその後

761年、令狐彰は唐への帰順を目指し、滑州の監軍を務めていた楊万定に上奏文を提出しました。しかし、彼の行動は史思明に疑念を抱かれ、彼が駐屯していた杏園は包囲される危機に直面します。彼は勇敢に反乱軍と戦い、数百名の部下とともに包囲を脱出。その後、楊万定に従って長安に入朝しました。

その翌年には、唐の粛宗から厚遇を受けて御史中丞に任命され、また滑州刺史や滑亳魏博節度使を兼任することになります。さらには銀青光禄大夫の位も授かり、滑州に駐屯し反乱軍の残党掃討に努めました。

最後の年

763年には史朝義が滅ぼされると、令狐彰は御史大夫に昇進し、霍国公に封じられました。大暦3年には検校工部尚書に任じられ、その後も検校尚書右僕射として活動を続けました。

しかし彼の晩年には母の死を経験し、その影響で失明することになりました。773年の2月、彼は死去し、後に太傅の位が贈られました。

令狐彰には3人の子があり、令狐建、令狐運、令狐通が存在していました。彼の生涯は、唐代の turbulent な時代における勇気と知恵を象徴するものであり、その業績は後世に伝えられています。

参考文献

• - 『旧唐書』巻124 列伝第74
• - 『新唐書』巻148 列伝第73
• - 中華書局、1975年発行の『旧唐書』『新唐書』

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