仲宗根美樹

仲宗根美樹の生涯：歌と波乱に満ちた人生

仲宗根美樹（なかそね みき、1944年6月23日 - 2024年2月24日）は、昭和を代表する歌手の一人です。東京都出身で、本名は國場勝子（くにば かつこ）と言います。東洋高等学校音楽科を卒業後、ミュージック・オフィス合田に所属し、その独特な歌声で多くの人々を魅了しました。

生い立ちと歌手デビュー

1944年、沖縄出身の両親のもと、戦火を避けて疎開した東京で生まれました。1960年にはテレビドラマ『東京物語』に出演し、翌1961年には同ドラマの挿入歌『愛に生きる』で歌手デビューを果たしました。

大ヒット曲『川は流れる』

1961年9月にリリースされた『川は流れる』は、彼女の代表作として知られています。川の流れに人生を重ねた歌詞を、無表情で歌い上げるスタイルが特徴的で、ミリオンセラーを達成するほどの大ヒットとなりました。同年には、第3回日本レコード大賞の新人奨励賞を受賞し、その実力を認められました。

紅白歌合戦出場と人気絶頂期

1962年には、第13回NHK紅白歌合戦に初出場し、紅組のトップバッターを務めました。この頃、彼女は空手道家の山崎照朝の熱狂的なファンであり、自身の事務所に招待したこともあります。また、有馬温泉のCMソング『有馬兵衛向陽閣』も彼女が歌唱し、親しまれました。その後も、『島育ち』『奄美恋しや』など数々のヒット曲をリリースし、人気絶頂期を迎えました。

結婚、引退、そして実業家へ

1971年、歯科医師との結婚を機に芸能界を引退しました。しかし、1972年には離婚し、白橋栄治と再婚。1975年には、夫が沖縄国際海洋博覧会に合わせてショッピングセンター「ビックマート」を開設しましたが、オイルショックや博覧会の不人気により事業は破綻。多額の借金を抱えることになりました。その後、1975年に東京・神田で「東京エレガンスルーム」を開業し、1977年には銀座に「仲宗根美樹＜審美容＞サロン」を開設するなど、実業家としての才能も発揮しました。しかし、1981年にはミキ・コーポレーションが倒産し、自己破産と離婚を経験しました。

歌手復帰と晩年

1998年、テレビ東京『年忘れにっぽんの歌』で25年ぶりに歌手として復帰しました。2000年には初のバースデーライブを開催し、テレビ番組にも多数出演。2001年には、映画『バックステージ』に出演し、主題歌『I'm a singer』をリリースしました。この映画には次男と長女も出演しています。2017年時点では銀座で『クラブ美樹』を経営していました。2024年2月24日、肺がんのため79歳で亡くなりましたが、同年12月30日の「第66回輝く!日本レコード大賞」で特別功労賞が贈られることが発表されました。

楽曲一覧（一部）

以下に、彼女の代表的なシングル曲をいくつかご紹介します。

愛に生きる (1961年)
川は流れる (1961年)
島育ち (1962年)
奄美恋しや (1963年)
ドリーム・ファイブ (1964年)
海と野菊と船頭さん (1965年)
恋しくて (1967年)

エピソード

『川は流れる』は元々B面曲でしたが、歌声喫茶で人気が出たことからA面として再リリースされ、大ヒットしました。
女優の大空眞弓は、彼女のいとこにあたります。
長女の國場亜紀は、テレビのリポーターなどを務めていましたが、後に芸能界を引退しています。
次男の國場雄大は、品川区議会議員を務めていました。

仲宗根美樹は、その歌声と波乱万丈な人生を通して、多くの人々に感動と勇気を与えました。彼女の残した数々の名曲は、今もなお多くの人々に愛され続けています。

映画

うるさい妹たち（1961年）
東海一の若親分（1961年）
海猫が飛んで（1962年）
川は流れる（1962年）
BACK STAGE/バックステージ（2001年）

テレビ番組

誰か夢なき（1961年）
源義経 (NHK大河ドラマ) （1966年） - モイヤ
三匹の侍 第4シリーズ 第20話「京十郎祭り囃子」（1967年） - お七
俺は用心棒 第1話「天を斬る」（1967年）- えま

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