伊作久逸

伊作久逸（いざく ひさやす）とは

伊作久逸は、戦国時代に薩摩国（現在の鹿児島県）で活躍した武将です。島津氏の分家である伊作氏の8代当主であり、その生涯は激動に満ちていました。

生い立ちと伊作氏の継承

嘉吉元年（1441年）、島津氏の9代当主・島津忠国の三男として誕生しました。長禄2年（1458年）、伊作氏の7代当主・犬安丸が幼くして急死したため、伊作氏の養子となり家督を継承します。伊作氏は、鎌倉時代初期に島津本家から分かれた家柄であり、本家とは遠い関係ながらも、家臣としての立場でした。

本家との対立と反乱

文明5年（1473年）、薩摩守護である島津氏10代当主・島津立久の命により、日向国櫛間（現在の宮崎県串間市）で伊東氏に対する守備を担当しました。しかし、立久の死後、本家を継いだ11代当主・島津忠昌は、有力分家である新納氏の意向を受け、久逸を伊作へ帰還させようとします。これに対し久逸は反発し、日向の伊東氏や豊後国（現在の大分県）の大友氏に協力を求め、新納氏の飫肥城を攻撃し、忠昌に対して反旗を翻しました。

久逸率いる連合軍は、忠昌の居城である鹿児島清水城に迫り、忠昌は妻子を伊集院一宇治城（現在の鹿児島県日置市）に避難させるほどでした。しかし、文明16年（1484年）、忠昌は分家である相州家の島津友久や薩州家の島津国久ら、島津一族を率いて伊作氏の討伐に出陣します。末吉での戦いで敗れた久逸は、櫛間に退却し、最終的には降伏し伊作に戻ることになりました。

その後の生涯と最期

その後、明応3年（1494年）には、嫡男である善久が下男によって殺害されるという悲劇に見舞われます。さらに、久逸自身も薩州家の内紛に介入し、明応9年（1500年）には薩州家の島津忠興に攻められ、戦死しました。享年60歳でした。

まとめ

伊作久逸の生涯は、戦国時代の地方武将が抱える複雑な立場や、激しい勢力争いを象徴しています。彼は、本家との対立、反乱、そして最終的な戦死という波乱に満ちた生涯を送りました。その足跡は、戦国時代の地方史において重要な位置を占めています。

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