薩州家

薩州家は、戦国時代に薩摩国（現在の鹿児島県西部）に存在した守護大名島津氏の分家の一つです。その歴史は、島津宗家8代当主である島津久豊の次男、島津用久（号は好久とも）が、兄である島津忠国から家督と薩摩守護職を継承したことに始まります。しかし、忠国が後になって当主の地位を取り戻そうと画策し、室町幕府の支援を受けて用久を排除したとされています。

「薩州家」という名前は、用久が薩摩守を称したことに由来します。薩州家は、2代当主である島津国久の死後、家督争いを発端とする御家騒動に見舞われました。この騒動は、他の分家をも巻き込む大規模な混乱となり、一時は薩州家が半独立状態となるほどでした。5代当主の島津実久の時代には、島津宗家の当主の座を巡る争いが起こり、実久は一時的に宗家当主・薩摩守護の地位に就いたとされています。しかし、最終的には、同じく分家である相州家との戦いに敗れ、宗家の家督を継ぐことはできませんでした。その後、薩州家は宗家を継いだ相州家に従属することになります。

7代当主の島津忠辰は、このような経緯からか、豊臣秀吉による九州平定の際、宗家よりも早く秀吉に降伏しました。しかし、その後の朝鮮出兵において秀吉の怒りを買い、改易処分を受けます。忠辰は朝鮮に在陣中に病死し、薩州家は所領をすべて失い、歴史から姿を消しました。

薩州家の歴代当主は以下の通りです。

島津用久（しまづ もちひさ、1401年 - 1459年）
島津国久（しまづ くにひさ、1442年 - 1498年）
島津成久（しまづ しげひさ、1464年 - 1536年）
島津忠興（しまづ ただおき、1486年 - 1525年）
島津実久（しまづ さねひさ、1512年 - 1553年）
島津義虎（しまづ よしとら、1536年 - 1585年）
* 島津忠辰（しまづ ただとき、1565年 - 1593年）

薩州家の系図は以下の通りです。太字は当主を示し、[ ]内はその氏の祖を示します。

[島津久豊] - [島津用久] - 島津国久 - 島津成久 - 島津忠興 - 島津実久 - 島津義虎 - 島津忠辰

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