島津国久

島津国久

島津国久は、室町時代後期から戦国時代にかけて活躍した武将で、薩摩国（現在の鹿児島県）の戦国大名・島津氏の一族です。薩州家の2代目当主として、激動の時代を生き抜きました。

生涯

嘉吉2年（1442年）、薩州家の初代当主である島津用久の長男として誕生しました。当時の島津氏は、宗家を中心とした一族連合体のようなものでしたが、国久の代には、宗家との対立が表面化します。

文明年間、島津宗家11代当主・島津忠昌と対立し、所領である出水（現在の鹿児島県出水市）で反旗を翻しました。国久は大隅国（現在の鹿児島県東部）の国分方面へ侵攻しましたが、忠昌が救援に駆けつけたため撤退しました。その後、手薄になった加世田（現在の鹿児島県南さつま市）を占領します。この時、国久に呼応するように、豊州家の島津季久や相州家の島津友久も反乱を起こしましたが、友久は鎮圧され、季久も降伏しました。しかし、国久は出水で勢力を保ち、宗家との対立を続けました。

文明16年（1484年）には、伊作氏の伊作久逸が忠昌に背いて鹿児島に侵攻します。この時、国久は忠昌に従い、鹿児島の守備につきました。また、季久の子で豊州家2代当主である忠廉が久逸と同時に反乱を起こすと、国久は忠廉を説得して味方につけ、共に久逸を攻撃しました。この結果、久逸の反乱を鎮圧することに成功しました。

このように、島津国久は宗家と対立しながらも、時には協力し、薩摩の安定に貢献しました。薩州家は一種の半独立状態を保っていましたが、明応7年（1498年）に国久が亡くなると、跡目を巡って御家騒動が勃発し、各分家を巻き込む大騒乱となりました。

人物像

国久は、武勇に優れていただけでなく、優れた政治手腕も持ち合わせていたと考えられています。宗家との対立を繰り返しながらも、最終的には協力して反乱を鎮圧するなど、その柔軟な対応は、戦国武将としての力量を示すものです。また、国久の死後、薩州家が内紛に見舞われたことは、彼が優れたリーダーシップを持っていたことの証左ともいえるでしょう。

評価

島津国久は、戦国時代の島津氏において、重要な役割を果たした人物です。薩州家の基礎を築き、その後の歴史に大きな影響を与えました。彼の生涯は、戦国時代の武将の生き様を象徴するものとして、現在でも多くの人々に関心を持たれています。

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