伊号第七潜水艦

伊号第七潜水艦：数々の激戦を潜り抜けた潜水艦の生涯

伊号第七潜水艦（I-7）は、大日本帝国海軍が建造した伊七型[[潜水艦]]の1番艦です。その艦歴は、太平洋戦争開戦前から終戦近くまで、日本の潜水艦戦を象徴するものでした。この潜水艦は、偵察、通商破壊、輸送作戦といった多岐にわたる任務を遂行し、数々の激戦を経験しました。

建造と初期の活動

伊号第七潜水艦は、1934年の第二次補充計画に基づいて呉海軍工廠で建造が開始されました。1935年7月3日に進水し、1937年3月31日に竣工しました。竣工後は横須賀鎮守府に所属し、第一艦隊第1潜水戦隊に配属されました。1938年には艦型名が伊七型に改正されています。

1940年10月には、横浜港沖で行われた紀元二千六百年特別観艦式に参加。同年11月には第六艦隊第2潜水戦隊に編入され、潜水母艦「長鯨」などと共に作戦行動を行うことになります。

太平洋戦争の開戦と真珠湾攻撃

太平洋戦争開戦時には、伊号第七潜水艦は第六艦隊第2潜水戦隊の旗艦として、真珠湾攻撃に参加しました。1941年11月16日には横須賀を出港し、オアフ島北方海域に配備されました。真珠湾攻撃に先立ち、搭載機による偵察を実施。その結果、湾内に戦艦や空母などの艦船が多数存在することを確認し、攻撃の重要な情報源となりました。

偵察後、搭載機が敵襲の可能性から放棄され、乗員は伊号第七潜水艦に収容されました。その後、米巡洋艦や駆逐艦を雷撃するも命中せず、爆雷攻撃を受けながらも無事に離脱しています。

インド洋での通商破壊作戦

1942年2月にはパラオやスターリング湾を経由してインド洋に進出。3月にはココス諸島付近で蘭貨客船「メルクス」を撃沈しました。さらに4月には、モルディブ諸島東方でイギリス客船「グレンシール」を雷撃し、撃沈しています。

これらの作戦で、伊号第七潜水艦は通商破壊戦において大きな戦果を挙げました。また、セイロン島付近では航空偵察も実施し、敵情を把握に努めました。

アリューシャン列島での作戦

1942年6月には、アリューシャン攻略作戦の支援に参加。ウナラスカ島北方沖で米貨物船「アーカタ」を撃沈。1943年5月にはキスカ島とアッツ島への輸送任務に従事し、物資の揚陸と兵員の輸送を行いました。

しかし、1943年6月21日、キスカ島撤退作戦に参加中、米駆逐艦「モナハン」の攻撃を受け、大きな損害を被ります。艦長を含む多数の乗員が戦死し、艦は沈没を防ぐために擱座されました。その後、修理を受けて再出撃するも再び攻撃を受け、ついにキスカ島沖に沈没しました。

終焉とその後

伊号第七潜水艦は、1943年8月1日に除籍されました。キスカ島を占領した米軍は、潜水艦の調査を行い、機密文書を回収しました。

この潜水艦は、その生涯で3隻、計13,002トンの敵艦船を撃沈したと記録されています。

伊号第七潜水艦の潜水艦長

伊号第七潜水艦には、以下の潜水艦長が歴任しました。

寺岡正雄 少佐/中佐：1936年9月21日 - 1937年12月20日
藤本傳 中佐：1937年12月20日 - 1938年6月29日
岩上英壽 中佐：1938年6月29日 - 1938年11月15日
岡本義助 中佐：1938年11月15日 - 1939年10月20日
石川信雄 中佐：1939年10月20日 - 1940年10月30日
永井宏明 中佐：1940年10月30日 - 1941年8月20日
小泉麒一 中佐：1941年8月20日 - 1942年12月5日
田畑直 少佐（兼任）：1942年12月5日 - 1943年3月16日
* 長井勝彦 少佐：1943年3月16日 - 1943年6月21日（戦死）

まとめ

伊号第七潜水艦は、太平洋戦争の激戦を生き抜いた潜水艦であり、その生涯は、大日本帝国海軍の潜水艦戦の歴史を語る上で欠かせないものです。数々の戦いで勇敢に戦い、多くの戦果を挙げましたが、最後はキスカ島沖で壮絶な最期を遂げました。その活躍は、今もなお語り継がれています。

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