伊号第三十五潜水艦

伊号第三十五潜水艦

伊号第三十五潜水艦（いごうだいさんじゅうごせんすいかん）は、大日本帝国海軍が運用した伊十五型[[潜水艦]]（巡潜乙型）の16番艦です。太平洋戦争中に数々の作戦に参加し、その生涯を終えました。

艦歴

1939年（昭和14年）の第四次海軍軍備補充計画に基づき、1940年（昭和15年）9月2日に三菱重工業神戸造船所で起工されました。当初は伊号第四十五潜水艦と命名されていましたが、1941年（昭和16年）11月1日に伊号第三十五潜水艦に改名されました。1941年（昭和16年）9月24日に進水し、1942年（昭和17年）8月31日に竣工しました。

竣工と同時に呉鎮守府に所属し、伊34、特設潜水母艦満珠丸と共に訓練部隊である呉鎮守府呉潜水戦隊を編成しました。その後、第五艦隊直卒となり、輸送任務や哨戒任務に従事しました。

初期の作戦

1942年11月、伊35は呉を出港し、大湊を経由してキスカ島への輸送任務に就きました。その後、アムチトカ島南方で哨戒活動を行い、幌筵島へ帰投しました。1943年1月には、アッツ島北東沖で敵巡洋艦を攻撃しようとしましたが、発見には至りませんでした。その後もキスカ島周辺での哨戒や輸送任務を続けました。

アッツ島沖での戦い

1943年5月、伊35はアッツ島近海に移動し、米軍の攻撃兵員輸送艦を発見しました。魚雷を発射しましたが、目標への命中には至らず、逆に敵駆逐艦からの爆雷攻撃を受け、損傷しました。その後、呉に帰投し修理を受けました。

最後の出撃

修理を終えた伊35は、トラック島を経由してウェーク島へ向かい、ハワイ近海に進出しました。その後、エスピリトゥサント島北西沖で哨戒を行いました。1943年11月、米軍のギルバート諸島来襲により、伊19、伊39、伊169、伊175と共に甲潜水部隊を編成し、タラワ近海に進出しました。

11月22日、伊35は米護衛空母部隊を発見し報告しましたが、その通信を最後に消息を絶ちました。アメリカ側の記録によると、23日、米駆逐艦ミードとフレイジャーが伊35を撃沈したとされています。伊35は、敵艦隊に突入を試みましたが、米駆逐艦の攻撃により沈没しました。艦長の山本秀男少佐以下、乗員92名が戦死しました。

1944年1月10日、伊35はギルバート諸島方面で亡失と認定され、4月10日に除籍されました。

沈没時の主な乗員

潜水艦長：山本秀男 中佐
機関長：浜田金治 中佐
水雷長：阿部恒司 少佐
航海長：小針佳男 大尉
砲術長：釜谷守保 大尉
全95名 （沈没時91名死亡、1名射殺、3名救助）

※階級は、戦死確認後の最終階級。

歴代艦長

艤装員長
山本秀男 少佐：1942年5月23日 -
艦長
山本秀男 少佐：1942年8月31日 - 1943年11月22日戦死

参考文献

雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』光人社、1990年。ISBN 4-7698-0462-8
外山操『艦長たちの軍艦史』光人社、2005年。ISBN 4-7698-1246-9
福井静夫『写真日本海軍全艦艇史』ベストセラーズ、1994年。ISBN 4-584-17054-1

関連項目

マキンの戦い
タラワの戦い
ギルバート諸島

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