伊東四十八城

伊東四十八城とは

伊東四十八城（いとうしじゅうはちじょう）は、戦国時代に日向国（現在の宮崎県）を治めた伊東氏が、その最盛期に支配していた48の外城と砦の総称です。この呼称は、伊東氏の勢力範囲の広さと、領国経営における城の重要性を示しています。

伊東氏の支配と四十八城

伊東氏は、戦国時代に日向国で勢力を拡大した大名です。伊東義祐の時代には佐土原城を、その後の伊東義益の時代には都於郡城を本城として、日向国各地に多くの支城や砦を築きました。これらの城は、領内の統治や防衛に重要な役割を果たし、伊東氏の支配を支えました。

伊東氏の家臣である落合兼朝が記した『日向記』には、「分国中城主揃事」という項目があり、この中で48の城が「伊東四十八城」として数えられています。この記述は、当時の伊東氏の勢力範囲と城の分布を知る上で、貴重な資料となっています。

城の変遷とその後

伊東氏の支配は、島津氏の侵攻により一時的に中断されます。しかし、豊臣秀吉による九州平定によって島津氏は日向から撤退し、伊東氏は旧領を回復しました。伊東氏は、九州平定における功績により、飫肥藩として復活し、宮崎郡などの城を再び領有することになりました。

江戸時代に入ると、一国一城令によって、藩庁となった飫肥城、高鍋城、佐土原城以外の城は廃城となります。しかし、飫肥藩では、清武、酒谷、南郷といった地域で、かつての城主や城代が地頭として存続し、地域支配の一翼を担いました。

四十八城の内訳

伊東四十八城は、日向国を構成する5つの郡に点在していました。それぞれの城には、当時の城主が配置され、地域ごとの統治が行われていました。

（各郡ごとの城名と所在地、城主については、詳細な資料を参照してください。）

その後の歴史

伊東四十八城は、戦国時代の激動を生き抜いた歴史の証人です。これらの城跡は、現在もその一部が残り、当時の様子を偲ぶことができます。城跡は、地域の歴史を伝える重要な文化遺産として、大切に保存されています。

関連情報

伊東氏の歴史や、日向国の戦国時代に関するより詳しい情報は、以下の資料をご参照ください。

『飫肥藩分限帳』
宮崎日日新聞社編『宮崎県大百科事典』
北郷泰道 1998「考古学から見た中世社会」『宮崎県史（通史編中世）』宮崎県
宮崎県教育庁文化課 1998『宮崎県中近世城館跡緊急分布調査報告書1（地名表・分布地図編）』宮崎県教育委員会
宮崎県教育庁文化課 1999『宮崎県中近世城館跡緊急分布調査報告書2（詳説編）』宮崎県教育委員会

関連人物・氏族

伊東氏
三田井氏
米良氏

関連項目

* 日本の城一覧

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