伊東祐賢 (志摩守)

伊東祐賢（いとう すけかた）

伊東祐賢は、江戸時代初期に活躍した旗本であり、特に徳川綱吉の側近として知られています。通称を采女（うねめ）、官位を従五位下志摩守と称し、その名は「伊東志摩守日記」にも見ることができます。彼は日向国飫肥藩主家伊東家の分家にあたる、旗本伊東家の二代目当主です。

生い立ちと家督相続

寛文6年（1666年）に、伊東祐豊の四男として誕生しました。母は原氏とされていますが、父には正室、継室、継々室がおり、複雑な家庭環境でした。祐賢は庶子でしたが、兄たちが早世したため、3歳で家督を相続することになります。父の遺領である3000石の知行と2000俵の蔵米を継ぎました。

幕府での活躍

延宝3年（1675年）に徳川家綱に初めて謁見し、幕府でのキャリアをスタートさせました。延宝9年（1681年）には、江戸の有力者を紹介する書物『顕正系江戸鑑』に「四千五百石 伊東采女」としてその名が掲載されました。貞享元年（1684年）には、父と同様に小姓に就任し、貞享4年（1688年）には従五位下志摩守に叙任されます。

元禄2年（1689年）には、知行していた3000石を蔵米に改め、家禄は全て蔵米となります。これにより、知行地であった日向国の南方村と松永村は幕府の直轄領となりました。同年、小姓を一度免じられますが、元禄5年（1692年）に再び小姓として復帰します。元禄6年（1693年）には中奥小姓に転じ、同年中に中奥小姓を退き、寄合となります。

元禄10年（1697年）には、荻原重秀の主導による元禄地方直により、蔵米5000石が近江国の栗太郡、甲賀郡、野洲郡、滋賀郡のうち5000石に改められました。これにより、彼は5000石の領主となりました。

死去とその後

宝永5年（1708年）、伊東祐賢は生涯を閉じました。享年は不明ですが、彼の墓所は代々伊東家が葬られている麻布の春桃院にあります。家督は嫡男の祐詮が継承しました。

系譜

父：伊東祐豊
母：原氏
正室：酒井忠経の娘
男子：伊東祐詮
生母不明
女子：伊東祐連正室
男子：石川豊故

参考文献

『新訂寛政重修諸家譜 第14』（続群書類従完成会、1964年）
『寛政重修諸家譜 巻八百九十三』
『改定増補 大武鑑 上巻』（橋本博、1964年）
* 『宮崎県の地名 日本歴史地名大系46』（平凡社、1997年）

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