伊藤康英

伊藤康英

伊藤康英（いとう やすひで、1960年12月7日 - ）は、日本の作曲家、編曲家、教育者として知られています。彼の音楽活動は、吹奏楽、室内楽、管弦楽、合唱といった幅広い分野に及び、数多くの作品を発表しています。

人物・来歴

静岡県浜松市出身の伊藤康英は、幼少期からピアノを始め、音楽への関心を深めました。静岡県立浜松北高等学校時代には、吹奏楽部で打楽器と指揮を担当し、音楽活動に積極的に参加しました。

1979年、東京藝術大学音楽学部作曲科に入学し、作曲を野田暉行、ピアノを岩崎操に師事しました。大学在学中からその才能を発揮し、1年生の時に作曲した吹奏楽のための《プログレス》が1979年度笹川賞創作曲コンクール吹奏楽部門で3位を受賞しました。1980年には、静岡県音楽コンクールピアノ部門で優勝するなど、ピアニストとしても高い評価を得ました。

1983年には、学内で安宅賞を受賞し、同年、東京藝術大学大学院作曲専攻に入学。1986年に大学院を修了後、1994年より洗足学園大学非常勤講師を務めました。

現在、株式会社イトーミュージックの代表取締役を務める傍ら、洗足学園音楽大学教授、東京芸術大学非常勤講師、東京ミュージック&メディアアーツ尚美非常勤講師として、後進の指導にもあたっています。また、創価大学パイオニア吹奏楽団のミュージック・アドバイザーも務めています。

主な作品

伊藤康英は、吹奏楽、管弦楽、室内楽、合唱など、多岐にわたるジャンルで作品を発表しています。以下は、彼の代表的な作品の一部です。

吹奏楽

オン・ザ・マーチ
吹奏楽のための《プログレス》
吹奏楽のための《エヴォカシオン》
アルト・サクソフォーンと吹奏楽のための《幻想的協奏曲》
吹奏楽のための《交響的典礼》
ラグ・タイム・マーチ

管弦楽

シンフォニア
サクソフォーン・コンチェルト
管弦楽のための交響詩《ぐるりよざ》

室内楽

フルーツ・パフェ―4本のフルートのための組曲
フルート四重奏のための「ケニアン・ファンタジー」
チョコレート・ダモーレ（サクソフォーン、コルネットとピアノのために）

声楽

合唱オペラ《ねこはしる》
わたしは1000の風
浜松市歌

著書・訳書

管楽器の名曲名演奏 独奏、アンサンブルから吹奏楽まで（音楽之友社、1998年）
バンドのための編曲法―わかりやすいオーケストレイション（翻訳、フランク・エリクソン著　東亜音楽社、1999年）
吹奏楽作品 世界遺産100　後世に受け継がれゆく不朽の名曲たち（共著：鈴木英史・滝澤尚哉、音楽之友社、2024年）

伊藤康英の作品は、その卓越した音楽性と豊かな表現力で、多くの人々に感動を与え続けています。また、教育者としての活動を通して、次世代の音楽家育成にも貢献しています。

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