伊藤竹里

伊藤竹里

伊藤竹里（いとう ちくり、1692年（元禄5年） - 1756年10月4日（宝暦6年9月11日））は、江戸時代中期の儒学者です。名は長準（ながとし）、字は平蔵（へいぞう）と称しました。

生涯

竹里は、元禄5年に儒学者である伊藤仁斎の四男として京都に生まれました。幼い頃から学問に励み、異母兄である伊藤東涯から古義学を学びました。古義学は、朱子学を批判的に検討し、古典の原義に立ち返ることを重視する学問です。

享保8年（1723年）、竹里は久留米藩に出仕しました。当時の藩主であった有馬則維に仕え、その学識をもって藩政に貢献しました。則維の後を継いだ有馬頼徸もまた竹里を重用し、頼徸は和算家としても著名でしたが、竹里は江戸の藩邸において頼徸の侍読を務め、古義学を教授しました。この間、竹里の門下からは内田鵜洲など、優れた学者が輩出されました。

竹里は、古義学の研究・教育に尽力し、その思想を後世に伝えることに貢献しました。彼の学問は、合理主義的な思考と実践的な知恵を重視するものであり、江戸時代の社会に大きな影響を与えました。

主な著作物

『赤羽漫筆』: 日常の出来事や社会風俗、学問に対する考察などを綴った随筆です。竹里の思想や生活を知る上で貴重な資料となっています。
『枕干小録』: こちらも随筆であり、様々なテーマについて竹里が独自の視点から論じています。

人物

竹里は、学問に対する真摯な姿勢と、人柄の温厚さで知られていました。多くの門下生を育成し、彼らの成長を親身になって支えました。また、藩主からの信頼も厚く、藩政においても重要な役割を果たしました。

竹里の学問は、単なる知識の伝授にとどまらず、人間としての生き方や社会との関わり方について深く考察するものでした。彼の教えは、現代においても学ぶべき点が多くあります。

伊藤竹里は、江戸時代中期における儒学の発展に大きく貢献した人物として、その名が記憶されています。

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