伊都国歴史博物館

伊都国歴史博物館について

伊都国歴史博物館は、福岡県糸島市に位置する文化施設で、地域の歴史と考古学に関する収集された資料を展示しています。1987年に「伊都歴史資料館」としてオープンし、その後2004年に前原市立の博物館として新館を開館しました。そして、2010年に前原市が糸島市に統合されてからは、糸島市立博物館へと移行しました。

初代館長には、平原遺跡の発掘で功績のあった原田大六が予定されていましたが、開館準備中に他界したため、彼の業績を称える銅像が製作され、旧館の向かいに今も立っています。

施設は、新館と旧館の二つの建物で構成されています。新館の1階には企画展示室と常設展示室1があり、エスカレーターを利用して3階に上がると、常設展示室2があります。そして、3階からは連絡通路を通って旧館に移動し、旧館の2階には常設展示室1と2があります。また、旧館の1階にも若干の展示が用意されています。

新館の4階には、展望スペースや図書コーナー、研修室が配置されており、展望スペースからは美しい周囲の山々や糸島平野の景色を楽しむことができます。また、新館の3階に通じるエスカレーターは狭く造られており、「現代と伊都国をつなぐタイムトンネル」と称される演出が施されています。

常設展示室には、国宝に指定された平原遺跡から出土した貴重な遺物が展示されています。特に目を引くのは、直径46.5センチメートル、重さ8キロの大型内行花文鏡で、これは日本最大の銅鏡とされています。また、糸島市には8件の国指定の史跡があり、それに関連して発掘された品々や地元の歴史的な生活用具も多く展示されています。訪れる観光客はボランティアガイドの説明を受けながら、これらの貴重な遺物に触れることができます。

文化財とその収蔵

伊都国歴史博物館には、数多くの文化財が収蔵されています。特に国宝に指定された平原遺跡からの出土品には、銅鏡や玉類、鉄素環頭大刀が含まれており、これらは弥生時代の重要な歴史的証拠とされています。1990年に重要文化財に指定された後、2006年に国宝に指定されました。

そのほかにも、糸島市指定の有形文化財や多くの考古資料が貸出されています。具体的には、上鑵子遺跡出土の木器や浦志遺跡の小銅鐸、末永高木遺跡の刻字土器、さらには古文書など、厳選された文化財が豊富に揃っています。

利用情報

伊都国歴史博物館への訪問は、一般的には210円の入館料がかかりますが、高校生は100円、小中学生や65歳以上の方、身体障害者手帳を持参した方とその付き添い1名は無料です。特別展の期間中は、料金が変更されることもあるため、事前に確認が必要です。

開館時間は、9時から17時までで、入館は16時30分までとなっています。休館日には毎週月曜日（祝日の場合は開館し、次の平日が休館）や年末年始が含まれます。

交通アクセスとしては、JR九州筑肥線の周船寺駅か波多江駅からタクシーで約10分、またはコミュニティバス「はまぼう号」の「伊都国歴史博物館」下車で徒歩2分の距離です。駐車場も完備されているので、自家用車を利用することも可能です。

このように、伊都国歴史博物館は歴史と考古学を学ぶうえで、非常に魅力的な施設であると言えます。

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