伊集院兼信

伊集院兼信（いじゅういん かねのぶ）

伊集院兼信は、1892年（明治25年）10月8日に生まれ、1980年（昭和55年）4月8日に没した、日本の陸軍軍人です。最終階級は陸軍少将で、東京都出身です。

経歴

1913年（大正2年）5月、陸軍士官学校（25期）を卒業しました。同期には、武藤章、富永恭次、田中新一、佐藤幸徳、山内正文らがいます。

1936年（昭和11年）の二・二六事件勃発時には、陸軍歩兵少佐として歩兵第3連隊第2大隊長を務めていました。この際、部下である安藤輝三大尉に対し、原隊への復帰を説得したことで知られています。この行動は、事件の鎮圧に少なからず貢献したと言えるでしょう。

1939年（昭和14年）3月には陸軍歩兵大佐に昇進し、同年12月、歩兵第210聯隊長に就任しました。日中戦争に出征し、山東省西部の警備業務に従事しました。その後、留守第5師団司令部附（広島文理科大学配属将校）を経て、1943年（昭和18年）3月、第2独立守備隊長に転じ、吉林に駐屯しました。

同年8月には陸軍少将に昇進し、1944年（昭和19年）5月より独立混成第51旅団長に就任し、トラック島の守備を担当しました。トラック島は、太平洋戦争における重要な拠点の一つであり、その防衛という重責を担い、終戦を迎えました。

1947年（昭和22年）11月28日、公職追放仮指定を受けました。

伊集院兼信は、激動の時代を生き抜き、様々な要職を歴任した軍人でした。二・二六事件での行動や、日中戦争、太平洋戦争における任務遂行は、彼の責任感と実行力を示しています。

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
太平洋戦争研究会編著『2.26事件の衝撃』PHP研究所、2010年。

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