伊集院松治

伊集院松治（いじゅういん まつじ、1893年4月21日 - 1944年5月24日）は、日本の海軍軍人であり、華族でした。最終階級は海軍中将に上り詰めた人物です。

東京府麹町区（現在の東京都千代田区）に生まれた伊集院松治は、名門の出身でした。父は元帥の伊集院五郎、弟は大野竹二海軍少将という、海軍家系に育ちました。旧制東京高等師範学校附属中学校（現在の筑波大学附属中学校・高等学校）を経て、海軍兵学校に入校。同校卒業後は、少尉候補生として装甲巡洋艦「磐手」に配属され、練習艦隊と共に近海や遠洋航海に従事しました。

海軍兵学校卒業後、伊集院松治は様々な艦艇に勤務しました。巡洋[[戦艦]]「鞍馬」、装甲巡洋艦「吾妻」「常磐」、戦艦「香取」、駆逐艦「有明」、1等海防艦「八雲」、潜水艦「呂号51」など、多様な艦種で経験を積んでいきます。その過程で、水雷学校や砲術学校で研鑽を積み、海軍技術の向上に貢献しました。

1921年には父である伊集院五郎の死去に伴い、男爵位を継承しました。その後も、海軍兵学校教官や、駆逐艦「蓮」「蓬」「澤風」「夕月」「雷」といった艦艇の艦長を務めるなど、指揮官としての能力を磨き上げました。軽巡洋艦「阿武隈」の副長や、舞鶴要港部水雷参謀など、陸上の要職も歴任しています。

太平洋戦争が始まると、第23駆逐隊や第8駆逐隊司令などを経て、軽巡洋艦「那珂」、重巡洋艦「愛宕」の艦長に就任。戦況激化に伴い、横須賀鎮守府に配属された後、第3戦隊司令部、そして戦艦「金剛」の艦長として重要な任務を遂行します。

1943年には、第三水雷戦隊司令官に昇進。ブーゲンビル島沖海戦では、乗艦していた「川内」が撃沈されるも、奇跡的に潜水艦に救助され生還しました。その後、軍令部出仕、海上護衛総隊附を経て、第1護衛船団司令官に就任。1944年5月24日、ヒ63船団を護衛中に乗艦していた「壱岐」が敵の攻撃を受け撃沈され、51歳で戦死しました。その功績を認められ、海軍中将に特別進級しました。

伊集院松治の生涯は、日本の海軍が近代化し、太平洋戦争へと突入していく激動の時代と重なります。数々の艦艇に乗り込み、指揮官として活躍したその経歴は、日本の海軍史において重要な一章を刻んでいます。彼の経験や功績は、多くの資料や記録から知ることができます。また、伊集院松治の父や弟など、一族も海軍に深く関わっていたため、家系全体が日本の海軍史に影響を与えたと言えます。

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