伊集院町寺脇

鹿児島県日置市伊集院町寺脇について

伊集院町寺脇（いじゅういんちょうてらわき）は、鹿児島県日置市に位置する大字です。旧薩摩国日置郡伊集院郷に属し、その歴史は鎌倉時代にまで遡ります。2020年10月1日現在、人口は90人、世帯数は54世帯と、小規模な集落を形成しています。

地理

日置市の中央部に位置し、神之川の中流域に広がっています。字域の東部では野田川が神之川に合流しており、水 resourcesに恵まれた土地です。周辺地域との境界は、北に伊集院町野田、伊集院町妙円寺、南に伊集院町大田、東に伊集院町徳重、西に東市来町美山、東市来町寺脇と接しています。字域の中央部を鹿児島本線が走り、南部には鹿児島県道24号鹿児島東市来線が東西に通るなど、交通の便も比較的良い地域です。

地名の由来

地名の「寺脇」は、地域内にある「円福寺」に由来するという説が有力です。この寺が地域にとって重要な存在であったことが伺えます。

歴史

中世

「寺脇」という地名は、鎌倉時代から見られ、薩摩国伊集院の一部でした。建久8年の薩摩国図田帳には「寺脇八町」という記述があり、これが地名の初見と考えられています。伊集院氏の支配下にあったこの地も、宝徳2年に伊集院氏が没落すると、島津氏の領地となりました。

近世

江戸時代には、薩摩国日置郡伊集院郷に属し、村高は時代によって変動が見られます。寛文4年の「郡村高辻帳」では513石余、延享頃の「三州御治世要覧」では545石余、天明8年の「由緒再撰調」では523石余と記録されています。村域内には薩摩街道が通り、郡山往還が分岐するなど、交通の要所でもありました。

近代

1889年の町村制施行により、周辺の村々と合併して下伊集院村が成立し、寺脇は下伊集院村の大字となりました。1956年には下伊集院村が解体され、一部は東市来町へ、残りは伊集院町へと編入されました。この際、寺脇の一部が東市来町に編入され、残りの地域が伊集院町の大字となりました。2005年には伊集院町が周辺町村と合併し、日置市が成立。合併に伴い、大字名は「伊集院町寺脇」と変更されました。

字域の変遷

寺脇の字域は、町村合併や編入により、その所属が変遷してきました。これにより、行政区画としての寺脇の位置づけが変化しました。

人口

1995年以降の国勢調査によると、寺脇の人口は減少傾向にあります。これは、過疎化が進む日本の地方の現状を反映していると考えられます。

文化財

地域内には、市指定の文化財として「伊集院忠国公夫婦の墓碑を含む円福寺墓地群」があります。これは、地域の歴史を物語る貴重な史跡です。

学区

市立小・中学校に通う場合、指定された学区に属することになります。詳細は日置市教育委員会にお問い合わせください。

交通

地域内には、鹿児島県道24号鹿児島東市来線や日置広域農道が通っており、車での移動が主な手段となります。

まとめ

伊集院町寺脇は、歴史と自然に恵まれた地域であり、古い寺院や街道の痕跡が残っています。人口は少ないながらも、その歴史的背景や地理的な特徴は、この地域を特徴づける重要な要素となっています。

参考文献

『日本歴史地名体系 47 鹿児島県の地名』平凡社, 1998年。
角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典 46 鹿児島県』角川書店, 1983年。

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