会津三方道路

会津三方道路の概要

会津三方道路（あいづさんぽうどうろ）は、福島県における重要な道路網のことを指し、明治時代に福島県令の三島通庸により進められた土木事業の成果として誕生しました。この道路は、会津若松市を起点とし、南は栃木県の日光市、また西は新潟県に通じる越後街道、北は山形県米沢市方面へと続く三方向への交通路を形成しているのが特徴です。

歴史的背景

会津三方道路は1882年、三島通庸が福島県令に就任した際に、その主導で1884年に完成しました。当時、自由民権運動が盛り上がりを見せていた時期でもあり、この土木事業の推進が福島事件（通称・喜多方事件）の引き金ともなったのです。この道路の整備により、会津若松市の大町札の辻から新潟、米沢、日光へと延びる道路が整備され、一部ルートは現在の交通網にも引き継がれています。

さらに、整備が完了した翌年、菊池新学が撮影した写真や、高橋由一が描いた風景画も生まれました。そして、翌年には会津新道碑が大町札の辻に設置されました。この碑は銅製で、第二次世界大戦時に供出されてしまったため、現存するのは石の台座のみです。

経路の詳細

新潟方面への道路

新潟へのアクセスは、かつて越後街道が存在し、束松峠を経由して新発田まで繋がっていましたが、会津三方道路の整備により新潟市まで直結しました。整備されたルートには藤峠、小出峠、鳥井峠、惣座峠といった峠が含まれています。この路線は現在の国道49号に継承されており、幾度かの改良を経て福島と新潟を結ぶ役割を果たしています。

米沢方面への道路

米沢方面へと向かうには、元々の米沢街道がありました。この街道では桧原峠を経由していましたが、会津三方道路の整備により新たに大峠経由とされました。現在の国道121号は、その経路変更を反映しており、工事中には大峠隧道も作られました。

日光方面への道路

日光市を目指すルートには、白河街道や下野街道（会津西街道）が存在しました。ただし、会津三方道路の整備に伴い、これらの経路にも変更が加えられて新たなルートが形成されました。この道路は山王峠を通過し、現在は国道121号がこの経路を引き継いでいますが、一部は経路の変更も見られます。

結論

会津三方道路は、歴史的にも地域経済にも重要な役割を果たしている交通路です。この道路を通じて福島県と近隣の県々が繋がり、地域振興や文化交流の基盤が築かれてきたと言えます。現代においても、その影響は今なお続いており、地元の人々や訪れる観光客にとっても欠かせない道となっています。

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