会田綱雄
会田 綱雄（あいだ つなお）
会田綱雄は、1914年3月17日に東京市本所区で生まれた日本の詩人で、1990年2月22日に亡くなりました。彼は、日本文学の中で重要な位置を占める存在であり、特にその詩『伝説』は記憶に残る代表作として知られています。
略歴
会田は日本大学の社会学科を修了後、1940年に志願兵として中国に渡りました。南京特務機関での勤務を経て、ここで詩人・草野心平との出会いを果たしました。この出会いは彼の詩作に多大な影響を与え、その後上海へと拠点を移しました。上海では『黄鳥』や『亜細亜』などの作品を発表し、その独特な詩的な世界を広げていきました。
1947年には、同人雑誌『歴程』の同人として活動を始め、彼の詩が広く知られるようになります。1957年には詩集『鹹湖』を発表し、この作品で第一回高村光太郎賞を受賞しました。彼の詩は自然や生命の奥深さをテーマにしており、特に知念栄喜は彼の詩を「残酷な生命の条理を自然の中に溶解し、原罪意識を夢幻的な物語として構成する特異な個性の詩人」と表現しています。
その後も活躍を続け、1964年には詩集『狂言』を思潮社から、1970年には詩集『汝』を67部限定で母岩社から発表しました。1977年には詩集『遺言』によって第29回読売文学賞を受賞するなど、彼の文学的成果は高く評価されています。
会田の詩作における特色は、鋭い視点で捉えた人間の苦悩や自然の美しさを、独特の表現技法で織り成すことにあります。彼の作品には、深い哲学的な問いかけや、時折のユーモアも含まれており、読み手に多様な感情を喚起させます。彼の詩は、単なる文学だけではなく、人生や社会についての洞察を提供する重要な資料とも言えるでしょう。
参考文献
関連項目
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