伴友足

伴友足（ともの ともたり）は、平安時代初期に活躍した貴族です。官位は従四位上、左衛門佐を務めました。

生涯

延暦22年（803年）に内舎人としてキャリアをスタートさせ、弘仁年間初頭には左衛門大尉に任じられました。嵯峨天皇の時代には武官として活躍し、弘仁5年（814年）には従五位下・右兵衛佐に叙任されました。その後も順調に昇進を重ね、弘仁13年（822年）には従五位上に昇りました。

淳和天皇の時代においても、右兵衛佐、左衛門佐と引き続き武官として重用されました。天長10年（833年）正月には正五位下に叙せられ、同年3月には仁明天皇の即位に伴い、従四位下に昇叙されました。承和8年（841年）には従四位上に至り、その官位は最高位となりました。承和10年（843年）1月5日に66歳で亡くなり、最終官位は散位従四位上でした。

人物像

伴友足は、公平で素直な性格の持ち主であり、世間の評判を気にすることなく、自身の信念を貫きました。武芸にも非常に優れており、特に鷹や犬を愛好していたと伝えられています。また、死に際しては自ら死期を悟り、沐浴し正装して病むことなく安らかに亡くなったとされています。この様子は、当時の人々にとって特別なこととして受け止められ、生死に対する深い理解がある人物として評されました。

逸話

伴友足と百済王勝義が狩猟を行った際のエピソードが残っています。勝義が鹿を仕留めた時、その肉を分け与えることはなかったのに対し、友足は仕留めた獲物を天皇に献上し、その余りを諸大夫たちに分け与え、一切私物化しませんでした。この行いに感銘を受けた諸大夫たちは、もし友足が地獄に送られたとしても、必ず救い出すだろうと語りました。逆に、勝義が誤って浄土に送られたならば、訴え出て地獄に落とすだろうと冗談を言い合ったとされています。この逸話から、伴友足の人柄と、周囲からの信頼の厚さが伺えます。

官歴

以下は『六国史』に記録された伴友足の官歴です。

延暦22年（803年）：内舎人
弘仁年間初頭：左衛門大尉
時期不詳：正六位上
弘仁5年（814年）7月1日：従五位下、右兵衛佐
弘仁13年（822年）1月7日：従五位上
弘仁14年（823年）4月28日：大伴宿禰姓から伴宿禰姓へ改姓
天長6年（829年）：加賀守兼任、遠江守兼任、常陸介兼任、10月：左衛門佐
天長10年（833年）1月7日：正五位下、3月6日：従四位下
承和8年（841年）11月20日：従四位上
承和10年（843年）1月5日：卒去（散位従四位上）

参考文献

* 森田悌『続日本後紀 （下）』講談社学術文庫、2010年

この記述は、伴友足の生涯、人となり、そして当時の社会における彼の位置づけを詳細に解説したものです。

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