佐々木健 (左投手)

佐々木 健

1996年5月13日生まれ、青森県つがる市出身のプロ野球選手（投手）。左投げ左打ち。現在は埼玉西武ライオンズに所属しています。

プロ入り前の歩み

野球を始めたのはつがる市立瑞穂小学校の5年生時。つがる市立木造中学校では軟式野球部に所属し、野球に打ち込みました。青森県立木造高校では投手と外野手を兼任し、2年生から公式戦に出場。県大会での最高成績はベスト16に留まり、残念ながら甲子園出場の夢は叶いませんでした。

高校卒業後は富士大学へ進学。4年時にはエースとしてチームを牽引し、北東北大学野球連盟の秋季リーグでベストナインに輝く活躍を見せ、さらに大学野球日本代表候補にも選ばれるなど、アマチュア球界で注目される存在となりました。

大学を卒業してからはNTT東日本に入社。社会人野球でも1年目から先発投手として起用され、都市対抗野球大会や日本選手権大会といった大舞台でも登板機会を得ました。

その実績が評価され、2020年10月26日に行われたプロ野球ドラフト会議において、埼玉西武ライオンズからドラフト2位指名を受けました。同年12月6日には契約金7000万円、年俸1350万円（金額はいずれも推定）で仮契約を結び、背番号は「26」に決まりました。

西武ライオンズ時代

プロ1年目の2021年は、前年からの左肘の違和感に悩まされ、新人合同自主トレーニングから調整が遅れました。春季キャンプも二軍スタートとなり、シーズン序盤は二軍での登板が続きました。6月に入ってからはイースタン・リーグで失点を重ね、状態を落としていましたが、一軍の左中継ぎ陣の不調もあり、6月9日に自身初の一軍昇格を果たしました。

一軍デビューは6月11日の中日ドラゴンズ戦。救援として登板し、2イニングを投げて1失点という内容でした。6月23日には東北楽天ゴールデンイーグルス戦でプロ初先発を務めましたが、4回を投げて8安打2四球、3失点と精彩を欠き、勝敗はつきませんでした。

プロ2度目の先発となった7月2日のオリックス・バファローズ戦では、初回先頭打者の福田周平選手に頭部死球を与えてしまい、わずか3球で危険球退場というアクシデントに見舞われました。これは、プロ野球史上初めて先発投手が打者1人のみを相手に危険球退場となる記録として残りました。ファームではフレッシュオールスターゲームに選出され、救援登板で1イニングを無失点に抑え、勝利投手となりました。

しかし、東京オリンピック開催による中断期間中に、新型コロナウイルス感染防止のための球団ルールに違反（同居家族以外の知人女性との長時間面会、行動記録の未提出・記載漏れ）があったことが判明。8月25日に球団から1ヶ月の対外試合出場停止処分を受けました。この影響もあり、後半戦の一軍登板はなく、ルーキーイヤーは一軍で5試合（うち2先発）に登板し、防御率8.31という成績で終えました。オフには現状維持の推定年俸1350万円で契約を更改しました。

2022年はリリーフ投手として開幕一軍入りを果たしました。3月30日の北海道日本ハムファイターズ戦ではプロ初ホールドを記録。4月下旬まではブルペンの一角を担っていましたが、4月23日に無症状ながら新型コロナウイルス陽性判定を受け、登録抹消となりました。5月31日に一軍へ復帰しましたが、制球に苦しむ場面が見られました。それでも、6月19日のオリックス戦でリリーフとして登板し、1イニングを無失点に抑えたことで、プロ初勝利を挙げました。その後、一時的に調子を落とすこともありましたが、20試合連続無失点を記録するなど安定感を見せました。しかし、7月22日の楽天戦で連続無失点記録が途切れると、8月12日には左肩後方の張りで再び登録抹消。9月6日に一軍に戻りましたが、9月13日の福岡ソフトバンクホークス戦で大きく崩れ、翌日には登録を抹消され、そのままシーズンを終えました。この年は37試合に登板し、3勝0敗5ホールド、防御率3.03という成績を残しました。オフには650万円増となる推定年俸2000万円で契約を更新しました。

2023年は5月11日に一軍登録され、リリーフとして好調なスタートを切りました。21試合の登板で0勝1敗4ホールド、防御率0.87と安定した投球を見せていましたが、7月29日に左肘痛のため登録抹消。精密検査の結果、左肘内側側副靭帯の損傷が判明し、8月25日に再建術（通称トミー・ジョン手術）と鏡視下クリーニング術を受けました。この手術により、実戦復帰まで約1年を要する見込みであることが9月1日に球団から発表されました。そして、10月4日には球団から戦力外通告を受けましたが、引き続きリハビリに専念するため、11月25日に推定年俸2000万円、背番号115の育成選手として西武と再契約を結びました。

2024年は手術からのリハビリ期間として、公式戦への登板はありませんでした。

2025年6月3日、順調な回復を経て、再び支配下選手登録を勝ち取りました。背番号は「49」に変更されました。

プレースタイルと人物

佐々木投手はスリークォーター気味のフォームから、最速152km/hの力強いストレートに加え、スライダー、カーブ、チェンジアップといった変化球を投げ分けます。

富士大学時代の先輩には山川穂高選手、外崎修汰選手、多和田真三郎選手がおり、同時期に埼玉西武ライオンズに在籍していました。また、大学時代の同期には佐藤龍世選手や東北楽天ゴールデンイーグルスの鈴木翔天投手がいます。

プロ入り後は怪我やコロナ禍における規律違反による処分、そしてトミー・ジョン手術と、多くの困難に直面しながらも、その都度乗り越え、育成契約からの支配下復帰を果たしました。その粘り強いキャリアは、今後の活躍にも大きな期待を抱かせます。

主なプロ記録

初登板：2021年6月11日（対中日ドラゴンズ）
初奪三振：同上
初先発登板：2021年6月23日（対東北楽天ゴールデンイーグルス）
初ホールド：2022年3月30日（対北海道日本ハムファイターズ）
初勝利：2022年6月19日（対オリックス・バファローズ）
史上初となる先発投手が打者1人で危険球退場：2021年7月2日（対オリックス・バファローズ）

背番号

26 （2021年 - 2023年）
115 （2024年 - 2025年6月2日）
* 49 （2025年6月3日 - ）

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