佐久ホテル

佐久ホテル

佐久ホテルは、長野県佐久市岩村田に位置する歴史ある宿泊施設です。室町時代の正長元年（1428年）に創業し、600年近い歴史を持つ長野県内最古の老舗として知られています。株式会社佐久ホテルによって運営されています。

歴史

佐久ホテルの始まりは、望月城主・望月河内守が現在の場所に宿泊や食事を提供したことに遡ります。その長い歴史の中で、足利将軍家から感謝状を贈られたり、戦国時代の武将・武田信玄が入浴したという逸話も残っています。

江戸時代には、陣屋元として割元、名主、公事宿（郷宿）の役割を担っていました。幕末には蒸気船事業への投資を試みるも、鉄道の普及により失敗し、莫大な損失を被ったという苦い経験も持っています。この経験から、家訓を定め、不慣れな事業や賭け事には手を出さないように戒めました。また、歴史的な偉人や文人が訪れたという事実を積極的にアピールせず、取材にも応じないという方針を取っていたため、一見すると普通のビジネスホテルのように見られていました。

しかし、近年になり、第19代目の当主が経営方針を転換し、歴史と伝統を前面に押し出す戦略へとシフトしました。伝統の鯉料理の提供、温泉の再興、インターネットやSNSを活用した情報発信など、新たな取り組みを積極的に行っています。

施設

佐久ホテルは、日本観光旅館連盟および長野県ホテル旅館生活衛生同業組合に加盟しています。

客室数：28室（和室20室、洋室8室）
収容人数：150人
温泉：「旭湯温泉」（メタケイ酸規定温泉、濁度5.6度、疲労回復・健康増進に効果あり）
浴場：貸切風呂、大浴場（日帰り入浴も可能）
その他：レストラン、喫茶店、宴会場（最大250人収容）、会議室（最大250人収容）、御神前（出雲大社分霊、長野県内唯一）、挙式場、若山牧水歌碑

食事

佐久ホテルでは、和食を提供しており、中でも地元産の佐久鯉を味噌仕立てのタレでじっくりと煮込んだ「鯉こく」が名物です。このタレは江戸時代中期から継ぎ足しで使われているという伝統の味です。また、自家製の「よもぎ焼酎」も用意されています。

交通アクセス

公共交通機関：JR佐久平駅からタクシーで約2分、またはJR小海線・岩村田駅から徒歩6分。7人乗り、27人乗り、55人乗りの送迎車あり。
* 自家用自動車：上信越自動車道・佐久インターチェンジから車で2分。普通車60台、大型バス5台駐車可能な無料駐車場あり。

佐久ホテルは、その長い歴史と伝統を受け継ぎながら、現代のニーズに合わせたサービスを提供し、訪れる人々を温かく迎え入れています。

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