佐伯喜一

佐伯喜一

佐伯喜一（さえき きいち、1913年10月10日 - 1998年1月14日）は、日本の国際政治評論家であり、元野村総合研究所社長、元防衛庁防衛研修所所長として知られています。

生涯

1913年、台湾の台北市で生まれ、広島県を故郷としました。1936年に東京帝国大学法学部を卒業後、満鉄調査部に入り、エコノミストとしてのキャリアをスタートさせました。戦後は経済安定本部に所属し、日本経済の復興計画策定に尽力しました。

1953年、保安庁（後の防衛庁）へ移籍。1961年には防衛研修所所長に就任し、安全保障分野における専門家としての道を歩み始めます。1965年には野村総合研究所副社長となり、1971年には社長、1979年には会長、1983年には相談役、1988年には顧問に就任。野村総合研究所を日本を代表するシンクタンクへと発展させました。

また、ワイズメン・グループでは大来佐武郎の後を継ぎ、1979年にワイズメンに選ばれました。国際情勢研究会会長、国際戦略研究所副会長、アジア調査会理事なども歴任し、国際的な視点からの政策提言にも貢献しました。1983年には勲二等旭日重光章を受章しています。

広島県出身であったことから、竹下虎之助広島県知事が県勢活性化のために組織した「広島県産業懇話会」のメンバーとしても活動しました。

年表

1913年10月10日 - 台北市に生まれる。台北高等学校尋常科・高等科卒業
1936年3月 - 東京帝国大学法学部法律学科卒業
1936年4月 - 南満州鉄道株式会社入社
1938年3月 - 満州重工業開発株式会社
1939年 - 東辺道開発株式会社
1939年12月 - 企画院事務嘱託第4部
1942年3月 - 企画院調査官第2部
1943年3月 - 東辺道開発会社復職
1944年4月 - 満州製鉄株式会社新京事務所副所長
1945年4月 - 同東辺道支社業務課長
1946年11月 - 内地引揚
1946年12月 - 商工省総務局事務嘱託需給第2課
1947年8月 - 経済安定本部部員・生産局需給課
1949年7月 - 同官房経済復興計画室副室長
1952年8月 - 経済審議庁計画部計画1課長兼計画2課長
1953年3月 - 保安庁保安研修所教官
1954年7月 - 防衛研修所所員
1957年8月 - 防衛庁参事官・技術開発担当
1961年7月 - 防衛庁防衛研修所所長
1964年9月 - 退官
1964年10月 - 野村証券株式会社嘱託
1965年4月 - 野村総合研究所代表取締役副社長兼所長
1971年11月 - 同社長兼所長
1979年12月～1983年12月 - 同会長
1973年6月～1993年1月 - 防衛学会会長
1973年10月～1997年3月 - 日米欧委員会日本代表委員
1988年6月 - 世界平和研究所副会長
1993年6月 - 同常任顧問
1998年1月14日 - 死去

著書

『日本の安全保障』日本国際問題研究所 1966年
『日本経済と総合安全保障』経済展望談話会 1981年

外部リンク

『佐伯喜一』 - コトバンク
* 『佐伯 喜一』 - コトバンク

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