佐古地区

佐古地区

佐古地区は、徳島県徳島市の中心部に位置する行政地区です。都心北西に隣接し、都市化が進んだ地域でありながら、歴史的な名残も色濃く残っています。

地理

佐古地区は、北から北佐古、佐古、南佐古、佐古山町の4つの町で構成されています。ただし、佐古地区の境界線は町の境界線と完全に一致しているわけではありません。地区の主要な境界線は、JR徳島線、佐古川、眉山の山麓です。

国道192号線（伊予街道）沿いは都市化が進んでおり、人口が集中しています。かつては、讃岐街道が佐古地区の中心道路であり、江戸時代には布屋や染色業者などの新興商人が軒を連ねていました。

歴史

「サコ」の語源については諸説あります。

柳田邦男の『地名の研究』(1948) によると、「一つの水流の岸が連続して平地を作っている所」
『阿波志』によると、「山谷で水がないもの」

近世以前、佐古地区は鮎喰川の氾濫原であり、水害に悩まされていました。徳島城築城時に鮎喰川の右岸に堤防が築かれたことで、水害のリスクは軽減されました。

その後、吉野川中流域から伊予へと続く街道が整備され、その街道沿いに佐古町が発展しました。街道沿いには町人町が形成され、南北に走る通り沿いには武家地が設けられました。1889年の市町村制施行により、佐古町、北佐古町、南佐古町は徳島市に編入されました。

大正時代までは、地下水を利用した酒造や染色工業が盛んでしたが、世界恐慌の影響で衰退しました。1953年には国道192号が拡幅され、地区の主要な通りとなりました。1964年に現在の町割が決定しました。

文化

佐古地区には、1882年創立の歴史ある阿波踊りの連「佐古愛日連」があります。佐古小学校の生徒を中心に、地域住民が一体となって阿波踊りを楽しんでいます。「愛日」という名前は、佐古小学校の別称であり、「時日を惜しんで学ぶ」という意味が込められています。

名所・旧跡・観光スポット

佐古地区には、歴史的な名所や観光スポットが点在しています。

徳島藩主蜂須賀家墓所（万年山墓所）: 蜂須賀家一族と重臣の墓所。
清水寺: 阿波秩父観音霊場31番札所。
大安寺: 蜂須賀家ゆかりの寺院。
諏訪神社: ツツジや桜の名所として知られる神社。
椎宮八幡神社（椎宮公園）: ツツジの名所。眉山湧水群の青龍水と雲龍水が湧き出ています。
佐古配水場ポンプ場: 国の登録有形文化財。
古庄染工場: 藍染に関する施設。
佐古大橋: 新町川に架かる橋。
カルチャーセンター徳島: 生きがいづくり、健康づくりを目的とした施設。

交通

鉄道: JR四国高徳線・徳島線 佐古駅
道路: 国道192号、徳島県道150号佐古停車場線

出身者

佐古地区出身の著名人として、以下の人物が挙げられます。

太田宏美 (弁護士)
仙谷由人 (衆議院議員)
中島錫胤 (貴族院議員)
* 原菊太郎 (政治家)

佐古地区は、歴史と文化が豊かに息づく魅力的なエリアです。阿波踊りや藍染、歴史的な寺社など、見どころ満載です。ぜひ一度、佐古地区を訪れてみてください。

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