佐多久政

佐多久政（さた ひさまさ）

佐多久政は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将で、島津氏の家臣であり、佐多氏の10代目当主です。初名は忠常と称しました。彼は、その生涯において数々の戦で武功を上げ、その名を歴史に刻みました。

生涯

永禄11年（1568年）、島津貴久が菱刈氏を攻めた際、久政は栗野（現在の鹿児島県姶良郡栗野）の守備を担当していました。しかし、3月23日に菱刈氏が相良氏、渋谷氏と共同で曾木城を攻撃したため、城主である宮原景種を救うべく出陣し、敵を数十人討ち取り、これを撃退しました。この戦いで、久政は卓越した武将としての才能を早くも示しました。

天正8年（1580年）には、肥後国矢崎城の攻略戦に参加し、城を攻め落とす大きな功績を挙げました。翌日の綱田城攻略戦でも、敵を降伏させるべく尽力しました。同年11月には、合志城下を放火した際、敵軍4,000が打ち掛かってきましたが、久政はこれを打ち破り、300以上の首級を上げるという目覚ましい戦果を挙げました。これらの戦いぶりからも、彼の武勇がいかに優れていたかが窺えます。また、その後の水俣城攻めや天正11年（1583年）の耳川の戦いにおいても、久政は軍功を上げ、島津氏の勢力拡大に大きく貢献しました。

しかし、天正15年（1587年）に豊臣秀吉が九州平定のために進軍を開始すると、久政が守っていた田北城も攻撃を受けることとなりました。久政は城を守るために奮戦しましたが、衆寡敵せず、ついに戦死しました。彼の勇猛果敢な戦いぶりは、後世に語り継がれています。佐多久政の墓は、鹿児島県知覧の栄仙寺に建てられており、その功績を偲ぶことができます。

人物

佐多久政は、その武勇だけでなく、冷静な判断力と戦略眼も持ち合わせていたと考えられています。多くの戦で功績を挙げた背景には、彼の優れた能力があったことは疑いようもありません。また、主君である島津氏への忠誠心も厚く、その生涯を島津氏のために捧げたと言えるでしょう。

参考文献

* 『本藩人物誌 鹿児島県史料集第13集』鹿児島県立図書館、1973年

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