佐多旧薬園

佐多旧薬園について

佐多旧薬園は、鹿児島県肝属郡南大隅町佐多伊座敷に位置する、かつて薩摩藩が直営していた植物園の跡地です。この地は、江戸時代後期に蘭癖大名として知られた島津氏25代当主、島津重豪が、その向学心と藩財政への貢献を目指し、植物園事業を推進した背景から生まれました。

歴史

佐多薬園の起源は、島津重豪の家老であった新納時升が、藩主にリュウガンを献上するために宝暦年間頃に開発したと伝えられています。しかし、正確な設置年月日は史料からは特定されていません。薬園では、リュウガンの他に、レイシ、アカテツ、オオバゴムノキなど、琉球経由で輸入された南方の植物が数多く栽培されていました。佐多薬園は、山川薬園、吉野薬園とともに「三薬園」と称され、薩摩藩の財政に大きく貢献しました。しかし、廃藩置県によってその役目を終え、廃止されることとなりました。

現在の姿

山川薬園や吉野薬園がその姿をほとんど残していないのに対し、佐多薬園は約30アールの土地に、藩政当時の植物がそのままの姿で生育しており、非常に貴重な場所となっています。この価値が認められ、昭和7年（1932年）10月9日に国の史跡に指定されました。現在では、園内は無料で一般公開されており、誰でも見学することができます。

アクセス

佐多旧薬園へは、垂水港から路線バス「佐多・大泊」行きを利用し、「薬草園前」で下車するとすぐです。所要時間は約70分です。しかし、交通の便が良いとは言えないため、自動車でのアクセスが推奨されます。国道269号線を佐多岬方面へ南下すると、無料駐車場が利用できます。

関連情報

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佐多旧薬園は、歴史と自然が融合した貴重な場所です。訪れることで、薩摩藩の歴史と南国の植物を身近に感じることができます。

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