佐竹義休

佐竹義休（さたけ よしやす）は、享保17年5月14日（1732年6月6日）に生まれ、寛政2年9月13日（1790年10月20日）に没した、江戸時代中期の武士です。佐竹氏一門の中でも、佐竹西家の13代当主という重要な地位にありました。また、久保田藩（秋田藩）においては、大館の所預という役職を務め、地域を治める役割を担っていました。

義休は、佐竹西家12代当主である佐竹義村を父として生まれました。母は石塚義敬の娘であり、正室には石塚義陳の娘を迎えています。嫡男には佐竹義種がおり、佐竹西家の家督を継承しています。幼名は長菊、元千代と称し、成長後は右膳、丹後を通称として使用しました。諱（いみな）としては、義和、義卓、義弦、義休と変遷しています。

経歴としては、まず父である佐竹義村の跡を継ぎ、佐竹西家の当主となりました。その後、久保田藩において大館城代を任され、藩主である佐竹義敦、佐竹義和に仕えました。大館城代は、藩の重要な拠点である大館を預かる役職であり、その責任は重大でした。義休は、この職務を通じて藩政に貢献しました。

しかし、義休の生涯には、藩内での席次をめぐる争いという出来事も存在しました。天明8年（1788年）、藩主である佐竹義和が将軍徳川家斉に御目見することになった際、義休は一門・家老としての席次を大館義良と争いました。しかし、この争いの結果、義休は御目見に同席することを許されませんでした。この出来事は、義休の藩内での立場を象徴する出来事であり、彼のプライドを傷つけたと考えられます。

その後、寛政元年（1789年）に義休は隠居し、家督を嫡男である佐竹義種に譲りました。そして、翌年の寛政2年（1790年）に58歳でこの世を去りました。義休の生涯は、佐竹氏の一門としての誇りと、藩政における重要な役割、そして席次をめぐる争いという複雑な要素が絡み合っていました。

義休の生涯は、江戸時代中期における武士の生き方の一例を示すものと言えるでしょう。藩主を補佐し、領地を治めるという責任を果たす一方で、藩内での人間関係や席次をめぐる争いにも翻弄される姿は、当時の武士社会の厳しさを物語っています。また、彼の人生は、佐竹氏一門の歴史を語る上でも、重要な一部を構成しています。

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