佐竹義処

佐竹義処（さたけ よしずみ）

佐竹義処は、江戸時代前期から中期にかけての大名で、出羽国久保田藩の第3代藩主です。佐竹氏の第21代当主であり、官位は従四位下・右京大夫、侍従、左少将を歴任しました。

生涯

寛永14年（1637年）、2代藩主・佐竹義隆の次男として生まれました。正保3年（1646年）には、江戸幕府3代将軍・徳川家光に御目見えしました。承応3年（1654年）には、従四位下・右京大夫に叙任され、後に侍従、左少将へと昇進しました。

寛文12年（1672年）2月9日、父・義隆の死去により家督を相続し、久保田藩主となりました。元禄14年（1701年）には、弟の義長に2万石、庶兄・義寘の子である義都に1万石を分与しました。

元禄16年（1703年）6月23日、領内の横手城で65歳で死去しました。在任中は、傾いた藩財政を立て直すため、寝食を忘れて藩政改革に尽力しました。時には吐血するほど激務に励みましたが、その努力もむなしく、財政再建を果たす前にこの世を去りました。

長男の義苗は早世しましたが、次男の相馬叙胤は相馬中村藩主となり、三男の佐竹義格は久保田藩主を継ぎました。

系譜

父：佐竹義隆（1609-1672）
母：光聚院（1620-1684）、寿流姫 - 佐竹義章の娘
正室：鶴姫、宝明院（1649-1683） - 松平直政の娘
長女：吉（凉月院）（1668-1672）
次女：亀（常照院）（1670-1675）
長男：佐竹義苗（1671-1699）
三女：鍋（霜林院）（1675-1676）
次男：相馬叙胤（1677-1711） - 相馬昌胤の婿養子
四女：清（1679-1680） - 藤堂高通の養女
五女：弁（霊苗院）（1680-1687）
側室：覚性院（?-1691） 清 - 谷氏
六女：岩（真覚院）（1687-1709） - 松平宣富正室
七女：久（養真院）（1689-1731） - 黒田長軌正室
側室：智清院（1665-1749） - 布施氏
三男：佐竹義格（1695-1715）
八女：源（円覚院）（1697-1703）
九女：順（幻体院）（1703-1721） - 松平宣維正室

偏諱を受けた人物

佐竹義処から偏諱を受けた人物は以下の通りです。これらの家臣たちは、主君である義処から一字を賜り、その忠誠心を示しました。

渋江処光（しぶえ すみみつ、家臣）
早川処久（はやかわ すみひさ、家臣）
伊達処時（たて すみとき、家臣）
伊達処宗（たて すみむね、家臣）
戸村処風（処易）（とむら すみかぜ、家臣、戸村氏分家当主、多賀谷峯経の実父）

（※「処」は正式には旧字体で「處」と書くのが正しい。）

佐竹義処は、藩政改革に心血を注いだ藩主として、その名は後世に伝えられています。彼の改革への情熱と、その後の藩政に与えた影響は、特筆すべきものがあります。

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