作画グループ

作画グループは、1962年（昭和37年）から2016年（平成28年）まで存在した日本の漫画同人グループです。正式名称は「日本統一ストーリィ作品研究会作画グループ」で、代表は大阪府出身のばばよしあき氏でした。このグループは、漫画好きが集まり、互いに刺激しあいながら創作活動を行う場として、長年にわたり多くの漫画家やクリエイターを輩出してきました。

概要

作画グループは、ばばよしあき氏が中学生時代に漫画仲間と結成した同好会を前身としています。会員制の同人誌サークルであり、プロの漫画家も多く在籍していましたが、漫画が好きであれば誰でも参加できるオープンな会でした。そのため、創作同人としての側面と、会員有志による作品制作ユニットとしての二つの側面を持っていました。

特に、会員であった聖悠紀氏の『超人ロック』の大ヒットにより、入会希望者が殺到し、一時は1000人規模の会員数を誇るまでに成長しました。

活動内容は、会員が提出したオリジナル作品を有志が批評し、その内容を会報に掲載するという、非常にオーソドックスなものでした。しかし、1968年（昭和43年）には、ガリ刷りが主流だった時代に、オフセット印刷による同人誌を刊行するなど、時代を先取りした活動も行っていました。この会誌を『COM』に送ったことがきっかけで、ばばよしあき氏はグループ代表と並行して「ぐら・こん」関西支部の初代支部長も務めました。その為、初期には他の同人グループとの合同誌も制作していました。

同人誌即売会にはほとんど参加しませんでしたが、原画展を開催するなど、貸本、同人、商業といった媒体を問わず、作品を発表しました。その発表形式から「商業的」と批判されることもありましたが、創作へのこだわりを貫き、1980年代まで手書きの原稿を綴じた「肉筆回覧誌」を制作し続けるなど、地道な活動も行っていました。この回覧誌は、掲載者のペンタッチ等の技術を会員間で共有し、互いに切磋琢磨することで、より質の高い作品制作を目指すという考えから行われていました。

また、映画のように脚本、監督、キャストなどを多数のメンバーで分担する合作を、『週刊少年マガジン』など複数の雑誌で発表していました。メンバーは普段、ギャグ、SF、少女漫画など異なるジャンルで活動していましたが、個性の強いメンバーが、絵柄のデフォルメを大きく異にするメンバーをまとめ、本格的な作品として作り上げ、話題となりました。

2016年6月21日、代表であるばばよしあき氏が心不全により死去(享年68歳)したため、同年7月31日をもって、作画グループは正式に解散しました。

発行物

作画グループは、会報として「作品批評とお知らせ」（旧「ニュース版」）を発行していました。また、同人誌としては、以下のようなものが刊行されていました。

なかま：会員向けの作品集で、元々は「ぐら・こん」関西支部時代に出されていたものが、1971年（昭和46年）に会誌として復刊しました。初期はA6判でしたが、後にB6判となり、約30ページから150ページ程度で刊行されました。
GROUP：1978年9月10日に創刊された、B6判約160ページの同人誌です。1985年（昭和60年）の20号からはA5判・約200ページとなり、SG企画より刊行されました。
ユニオン：「ぐら・こん」との繋がりから、1969年（昭和44年）に他の同人グループとの合同誌として発刊されました。その後、会員向けの作品集となり、1981年（昭和56年）には約500ページの『ユニオンデラックス』として6号が発行され、1992年（平成4年）の13号まで刊行されました。
ぐるーぷ：1号は「ぐら・こん」関西支部から発行されました。
別冊：1977年（昭和52年）までに10号が発行されました。

作品リスト

特記がないものは、作画グループのメンバーによる合作作品です。

アキラ・ミオ大漂流（『週刊少年マガジン』、講談社）
失われた伝説（GROUP）
ダリウスの風（『週刊少女コミック』、小学館）
1000万人の2人（『週刊少年キング』、少年画報社）
銀河を継ぐ者（『週刊少女フレンド』、講談社）
怪盗スカイラーク（GROUP、SG企画ほか）：リレー漫画で、A班とB班が異なる展開で結末を目指す実験作。
怪盗スカイラーク -華麗な冒険- （SF漫画競作大全集、東京三世社）：『怪盗スカイラーク』の続編。同じくリレー漫画で、A班からの続きとなっている。
ベレヌスのロビン - 炎の伝説 -（『少年KING、少年画報社）
銀河活動大写真異聞（『ウィングス』、新書館）：「もし『ベレヌスのロビン』が映画内の劇中作であったら」という設定の作品。
フリージングポイント（『ウィングス』、新書館）
ベレヌスのロビン - 炎の戦士 -（単行本描きおろし、SG企画）

主な元会員

作画グループには、数多くの漫画家やクリエイターが在籍していました。

あずみ椋
いくたまき
大塚英志
かぶと虫太郎
北原文野
清原なつの
神坂智子
沢田ユキオ
志水圭
鷹見一幸
中田雅喜
速水翼
聖悠紀
BELNE
みなもと太郎
山本航暉
横山えいじ
六田登

SG企画

SG企画は、作画グループを母体とした出版会社です。会員の執筆による不定期刊行誌『GROUP』や会員作品の単行本、グッズなどを発刊・製作・通販していました。地方・小出版流通センター経由で全国の書店でも取り扱っていましたが、主に通販がメインでした。近年では、過去の単行本の紙媒体での再版は行わず、電子書籍での販売に移行しています。

参考文献

『作画グループの世界』、新書館、1981年5月25日
『時の狩人』、東京三世社マイコミックス、1983年6月10日

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