依田雄太郎

依田雄太郎（よだ ゆうたろう）

依田雄太郎は、幕末の動乱期に生きた幕臣、剣客、そして暗殺者です。高橋泥舟と山岡鉄舟という、当時名を知られた剣術家を師とし、その門下で剣の腕を磨きました。名前は哲二郎と表記されることもあります。

生涯

依田雄太郎は、江戸の小石川御箪笥町で、御先手鉄砲組与力であった依田左助の子として生まれました。依田家は高橋泥舟と山岡鉄舟の屋敷の裏手に位置していたといいます。彼は講武所に所属し、槍術の指導にも携わっていました。

文久2年（1862年）12月、一橋慶喜に従い上洛。文久3年（1863年）3月9日には、上京してきた浪士組の取締役並出役に任じられますが、その後江戸に戻ります。伝通院塔頭処静院の住職であった琳瑞や、当時幕府目付であった元水戸藩士の原市之進の弟子、綿引泰（東海）と親交を深めた師を「叛臣」と批判するなど、激しい一面も持っていました。

慶応3年（1867年）7月11日、依田雄太郎は鈴木恒太郎、鈴木豊次郎兄弟と共に江戸を離れ上洛しました。同年8月14日、原市之進を豊次郎と共に殺害した後、自害しました。しかし、原の家来に討たれたという記録も残っており、最期については諸説あります。

参考文献

松本佳子『原市之進 徳川慶喜のブレーン』、筑波書林、平成2年1月
浦出卓郎「原市之進暗殺事件の高橋泥舟・山岡鉄舟黒幕説を否定する」『霊山歴史館紀要24号』、霊山歴史館、令和元年5月

関連項目

兵庫開港
関口隆吉（師匠の一人）

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