保田駅 (福井県)

保田駅：静寂に佇む山間の駅

福井県勝山市鹿谷町保田に位置する保田駅は、えちぜん鉄道勝山永平寺線に属する無人駅です。駅番号はE20。周囲は九頭竜川と山々に囲まれた自然豊かな環境で、駅周辺には建物が少なく、静けさに包まれた場所にあります。

歴史の軌跡

保田駅の歴史は古く、1916年（大正5年）、京都電燈越前電気鉄道の小舟渡駅 - 発坂駅間の開通に伴い開業しました。その後、1942年（昭和17年）には京福電気鉄道（京福）の越前線（後の越前本線）の駅となり、長きに渡り地域住民の足として活躍しました。1970年（昭和45年）には列車交換設備が廃止され無人駅となりました。

2001年（平成13年）には、当駅 - 発坂駅間で発生した列車衝突事故の影響で全線運行が休止され、保田駅も一時休業を余儀なくされました。この事故は京福電気鉄道越前本線列車衝突事故として広く知られています。その後、2003年（平成15年）2月1日に京福電気鉄道からえちぜん鉄道へ駅施設が譲渡され、同年10月19日には永平寺口駅 - 勝山駅間の運行再開に伴い、駅業務も再開されました。

駅の構造と利用状況

保田駅は単式ホーム1面1線を有する地上駅で、現在も無人駅です。線路の北側にホームが設置されており、駅舎は併設されていません。乗客は簡素なホーム上の待合室を利用することになります。勝山市の統計書によると、1日平均の乗車人員は変動しますが、周辺の環境を反映し、比較的少ない数値となっています。

周辺環境

駅周辺は、九頭竜川と山々に挟まれた自然豊かな環境が広がっています。最寄りの建物も少なく、人里離れた静かな場所と言えるでしょう。アラレガコと呼ばれる魚が生息する九頭竜川は、この地域の自然環境の豊かさを象徴しています。

隣の駅

保田駅の隣接駅は以下の通りです。

えちぜん鉄道 勝山永平寺線
小舟渡駅 (E19) - 保田駅 (E20) - 発坂駅 (E21)

快速列車は上り方面のみ保田駅を通過します。普通列車は全列車が停車します。

参考文献

『京福電気鉄道 越前線写真帖 88年回顧録』京福電気鉄道、2003年1月31日
川島令三『【図説】日本の鉄道中部ライン全線・全駅・全配線 第5巻 米原駅 - 加賀温泉駅』講談社、2010年8月20日
『週刊歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄28 えちぜん鉄道 福井鉄道・北陸鉄道・のと鉄道』朝日新聞出版、2011年10月2日
寺田裕一『改訂新版 データブック日本の私鉄』ネコ・パブリッシング、2013年1月19日

保田駅は、歴史と自然に囲まれた静かな駅です。周辺の環境と合わせて、独特の雰囲気を持つ駅として知られています。

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