元朔

元朔（げんさく）は、中国の前漢時代、武帝によって用いられた元号の一つです。具体的には、紀元前128年から紀元前123年までの6年間を指します。武帝の治世においては3番目の元号にあたります。

元朔という元号が定められる以前は、単に元年、二年、三年というように年数を数えるのみでした。しかし後年、過去の各年代に名称を付与するべきであるという建議がなされ、その結果、この時代が「元朔」と名付けられることとなりました。

元朔の時代には、いくつかの重要な出来事がありました。

元朔元年（紀元前128年）
衛青（えいせい）による第二次匈奴遠征が行われました。衛青は、武帝の時代に匈奴との戦いで多大な功績を挙げた将軍です。
東夷の薉（わい）君である南閭（なんりょ）らが28万人もの人々を率いて前漢に投降しました。これを受け、前漢は新たに蒼海郡（そうかいぐん）を設置しました。
元朔二年（紀元前127年）
衛青による第三次匈奴遠征が行われました。
元朔三年（紀元前126年）
張騫（ちょうけん）が、西域への探検から13年ぶりに帰還しました。張騫は、西域諸国との交易路を開拓し、前漢と西方世界との交流に大きく貢献しました。
蒼海郡が廃止されました。設置からわずか2年での廃止であり、その理由は定かではありません。
元朔五年（紀元前124年）
衛青による第四次匈奴遠征が行われました。
元朔六年（紀元前123年）
衛青による第五次および第六次匈奴遠征が行われました。この遠征には、後に武帝の時代を代表する将軍となる霍去病（かくきょへい）も参加しています。

元朔の時代は、前漢が匈奴との戦いを繰り広げ、西方世界との交流を深めた時代であったと言えます。また、衛青や霍去病といった名将が登場し、前漢の勢力拡大に貢献した時代でもありました。

以下に、元朔と西暦の対照表を示します。

元朔元年：紀元前128年
元朔二年：紀元前127年
元朔三年：紀元前126年
元朔四年：紀元前125年
元朔五年：紀元前124年
元朔六年：紀元前123年

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