光原逸裕

光原逸裕（みつはら あつひろ）氏は、1980年10月11日に兵庫県神戸市兵庫区で生まれた元プロ野球選手です。現役時代は主にオリックス・バファローズ、そして千葉ロッテマリーンズに所属し、右投げ右打ちの投手としてプレーしました。京都産業大学出身で、引退後には母校の硬式野球部で監督を務めた期間もあります。

プロ入りまでの道のり

光原氏は報徳学園高校に進学。同期には鞘師智也氏、1年後輩には南竜介氏や森山周氏といった面々がいました。高校時代にはチームが4期連続で甲子園に出場。3年春の第70回選抜高等学校野球大会では控え投手としてチームを支えました。

大学は関西六大学野球連盟に所属する京都産業大学へ進みます。大学野球では4年春にリーグ戦で最優秀投手賞とベストナインを受賞。さらに秋季リーグでは防御率0.69という驚異的な数字を記録し、チームを21シーズンぶりの優勝へと導きました。この活躍により、最優秀投手、ベストナインに加えてリーグのMVPにも輝いています。大学リーグ戦での通算成績は、46試合に登板し22勝10敗、防御率1.75、244奪三振をマークしています。

大学卒業後は社会人野球の強豪、JR東海へと進みます。2003年の都市対抗野球大会には東邦ガスの補強選手として出場しましたが、初戦で敗退。しかし翌年の都市対抗では、1回戦でNTT西日本相手に完投勝利を挙げるなど活躍を見せました。これらの実績が評価され、2004年のNPBドラフト会議でオリックス・バファローズから2巡目の指名を受け、プロ入りを果たしました。

プロ野球でのキャリア

オリックスに入団した2005年シーズン、光原氏は新人ながら開幕から一軍に定着。7月13日の対東北楽天ゴールデンイーグルス戦では、プロ入り後初となる完投勝利を初完封で飾るなど、7つの白星を挙げました。チームがプレーオフ進出争いを繰り広げる中で貢献しましたが、シーズン後半に右肩の痛みに見舞われ戦線を離れることになりました。

翌2006年は肩の治療に専念し、8月から練習に復帰したものの、一軍での登板はありませんでした。2007年には約2年ぶりに一軍のマウンドに立ちますが、試合の流れを作ることができず二軍での調整が続きます。同年9月にはウエスタン・リーグの試合中に、ベンチ裏で利き手である右手を負傷し、指の靭帯を断裂するという重傷を負うアクシデントに見舞われました。救急搬送される事態となり、その後のシーズンを棒に振ることになります。

2008年も開幕から一軍での登板機会を得ますが、結果を残せず再び二軍へ降格。2009年にはチームの先発投手陣に故障者が出た影響もあり、5月17日の対北海道日本ハムファイターズ戦でシーズン初登板初先発のチャンスを得ます。この試合で5回無失点と好投し、2005年以来実に1404日ぶりとなる白星を挙げ、チームの9連敗を止める立役者となりました。しかし、その後はなかなか登板機会に恵まれず、7月9日の試合ではわずか1/3回で5失点を喫するなど、不振から抜け出せずシーズンを終えました。2010年の一軍登板はわずか1試合のみにとどまっています。

2011年1月、光原氏は齋藤俊雄選手との交換トレードで千葉ロッテマリーンズへ移籍します。ロッテでは3試合に先発しましたが、いずれも試合を作ることができず敗戦投手となり、5月のオリックス戦を最後に一軍のマウンドに立つことはありませんでした。2012年シーズン終了後、戦力外通告を受け、現役生活にピリオドを打ちました。

現役引退後

プロ野球引退後、光原氏は愛知県の名古屋市や長久手市でベースボールスクール「LightField」を主宰し、野球指導にあたっていました。2017年にはVリーグ女子のデンソーエアリービーズでトレーナーを務めた経験もあります。2018年1月からは母校である京都産業大学硬式野球部のコーチに就任。自身の大学時代の監督であった勝村法彦氏の退任に伴い、2021年11月からは同部の監督に昇格しました。しかし、2023年8月31日付で、本人の申し出により京都産業大学の監督を退任しています。

プレースタイル

光原氏の主な持ち球はフォークと2種類のスライダーでした。入団当初は平均球速が130km/h台後半に届くかどうかという球速ながら、巧みに打たせて取る粘り強い投球スタイルを特徴としていました。打者のタイミングを外す投球術でプロの世界に挑みました。

主な記録

初登板：2005年3月27日 対西武ライオンズ戦
初奪三振：同上（対和田一浩選手）
初先発・初勝利：2005年4月1日 対北海道日本ハムファイターズ戦
初完投勝利・初完封勝利：2005年7月13日 対東北楽天ゴールデンイーグルス戦

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