光龍忠晴

光龍 忠晴（こうりゅう ただはる）は、1984年2月4日生まれ、モンゴル国ウランバートル市出身の元大相撲力士です。本名はエルデネスフ・ムンフォルギル（Эрдэнэсүхийн Мөнх-Оргил）。花籠部屋に所属し、得意手は突っ張りでした。最高位は東前頭11枚目。2011年の大相撲八百長問題に関与したとされ、引退勧告を受け、角界を去りました。現役時代の体格は身長186cm、体重158kg。血液型はA型で、愛称はギルでした。

相撲への道は、2000年にモンゴルで開催された花籠部屋の入門選考会に合格したことから始まりました。同年11月場所に初土俵を踏み、番付を上げていきました。2006年11月場所で東幕下3枚目で勝ち越しを決め、翌2007年1月場所に新十両昇進を果たしました。これは、花籠親方（元関脇・太寿山）が再興した花籠部屋にとって初めて誕生した関取であり、部屋に新たな歴史を刻みました。

十両昇進後、2007年1月場所、3月場所と連続で勝ち越しましたが、同年5月場所で初の負け越しを経験します。続く7月場所は苦しい状況から終盤に盛り返して勝ち越し、翌9月場所には自己最高位の東十両3枚目まで昇進しました。2007年11月場所では10勝5敗と好成績を挙げ、翌場所の新入幕の可能性も取り沙汰されましたが、東十両筆頭止まりで惜しくも入幕は叶いませんでした。2008年1月場所も負け越し入幕を逃しましたが、同年5月場所では西十両7枚目で12勝3敗と大きく勝ち越し、この活躍により翌7月場所での新入幕を果たしました。

初めて立った幕内の土俵は厳しく、新入幕場所は3勝12敗と大きく負け越しました。その後も幕内での勝ち越しは難航しましたが、幕内在位7場所目となる2010年11月場所で8勝6敗とし、自身初の幕内勝ち越しを記録しました。

私生活では、既に前年の2010年4月に長女が誕生しており、結婚していたモンゴル人女性との結婚披露宴を2011年1月30日に行いました。

力士として初の幕内勝ち越しを果たし、充実期を迎えつつあった矢先、2011年に大相撲を揺るがす八百長問題が発覚しました。問題に関連して公表されたメールの中に光龍の名が含まれており、自身は関与を否定しましたが、日本相撲協会特別調査委員会によって八百長への関与が認定されました。この認定を受け、2011年4月1日の相撲協会臨時理事会で引退勧告が出されました。他の処分対象となったモンゴル人力士らと協議の上、光龍は引退届を提出し、受理されました。この問題と引退により、モンゴルに住む家族が中傷を受ける事態となり、引退した他のモンゴル人力士たちと共にモンゴルで釈明会見を開く意向が報じられました。皮肉にも、引退勧告直後の2011年2月28日に発表された番付では、東前頭11枚目と自己最高位を記録していました。現役最後の場所となるはずだった場所を迎えることなく、土俵を去ることとなりました。2011年5月29日には、都内で断髪式が行われました。

角界を離れた後、光龍は会社員として新たな道を歩んでいます。2011年4月18日、退職金手続きのため国技館を訪れた際には、当時の放駒理事長に対し強い不快感を示し、挨拶を交わさなかった様子が報じられています。また、八百長関与を否定し処分を拒否した力士にも退職金が支給されたことについて、不公平感を訴えています。

2012年3月5日、同じく八百長認定を受けた元十両・星風が相撲協会を訴えた裁判で証人として出廷。「真面目で気が強く、八百長をするような力士ではない」と星風を擁護する証言を行いました。

主な成績
通算成績：331勝292敗4休（勝率.531）
幕内成績：44勝76敗（勝率.367）
現役在位場所数：62場所
幕内在位場所数：8場所

エピソード
初土俵のきっかけとなった選考会には、後の第71代横綱・鶴竜も参加していました。
元力士の鬼嵐（朝日山部屋）とは従兄弟の関係にあります。
* 同じモンゴル出身の翔天狼との間でも、親戚関係を主張したことがあります。

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