児玉就英

児玉就英の生涯と功績

児玉就英（こだま なりひで）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した日本の武将で、毛利氏に仕える水軍の指揮官として知られています。彼は1544年に、同じく毛利水軍の将である父、児玉就方のもとに生まれました。就英には弟が一人おり、児玉景栄という名前で呼ばれていました。彼の人生は、家族の伝統や水軍の栄誉を継承しつつ、数々の戦闘に従事するものでした。

軍事的な業績

1569年、尼子勝久や山中幸盛らの軍勢が出雲国に攻め込んだ際、就英は毛利水軍の主力として出陣します。この出陣は、敵軍の侵攻を阻止する重要な使命を担っていました。就英は日本海を舞台に、出雲での戦闘において巧みに指揮を執り、敵を追い詰めました。特に元亀2年の8月21日には、尼子勝久を追撃し、隠岐国へと逃げさせることに成功しました。

天正4年（1576年）、就英は第一次木津川口の戦いにおいて、他の水軍指揮官たちと共に出陣しました。毛利水軍は、700～800艘の艦艇を動員し、織田水軍に対して焙烙玉を使用して勝利を収めました。この戦いは、毛利水軍の名声を高める重要な転機となりました。さらに天正6年には、淡路国の岩屋城に駐屯し、周辺海域の防衛を担当しました。

家族・転封の難航

1586年、父の就方が亡くなると、就英は草津城の城主となりました。しかし、1589年には毛利輝元が広島城の建設を始めたことから、就英は草津からの転封を求められました。この時、就英は草津が児玉氏の根拠地であることを挙げて、転封に対抗しました。輝元は日々、就英を説得しようとしましたが、彼の意思を貫くために容易には応じない状況が続きました。

小早川隆景は、就英が草津から退去せざるを得ない状況を憐れみ、彼に土地の請求を提案しました。結果的に、就英は苦渋の選択を強いられ、草津の退去に応じることとなりました。

晩年と葬送

1591年、就英は「周防守」の称号を受けましたが、晩年には健康問題も影響し、1596年に53歳で亡くなりました。彼の死後、長男の元方が家督を継ぐべきものの病気により公役を果たせず、次男の元昌が家督を引き継ぎました。

影響と伝承

児玉就英の人生は、戦国時代の武士の模範的な姿勢を象徴しており、彼の武勇や家族への忠誠心は後の世代にも語り継がれています。彼の物語は、戦の合間における豪勇と家族愛の重要性を浮き彫りにし、戦国時代における水軍の役割を再認識させるきっかけとなるでしょう。

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