草津城

草津城

草津城は、現在の広島県広島市西区草津地区に位置していた日本の城、特に山城です。築城時期は明確ではありませんが、戦国時代には安芸武田氏、大内氏、厳島神社神主家、陶氏、そして毛利氏といった有力な勢力が、この城を巡って激しい争奪戦を繰り広げました。その背景には、神武天皇の時代に草津の港が「戦津（いくさつ）」と呼ばれ、古代から水軍や水運の要衝として認識されていたという歴史があります。戦国時代に入ると、その重要性はさらに増しました。

支配の変遷

戦国時代初期には、厳島神社神主家（藤原氏）の配下にあった神領衆・羽仁氏がこの城を拠点としていました。しかしその後、安芸守護家である武田氏、さらには大内氏・陶氏の勢力下へと移り変わっていきます。1554年（天文23年）には、毛利氏が城番を務めていた羽仁有繁を無血で追い払い、草津城を自らの支配下に収めました（防芸引分）。

毛利氏以降

毛利氏は、水軍の将である重臣・児玉氏を草津城代として配置しました。児玉就方、児玉就英と代々児玉氏が城代を務める中で、城の南に位置する草津湊は広島湾を警護する毛利水軍の重要な基地となり、草津の町も大きく発展しました。しかし、関ヶ原の戦いで毛利氏が防長へと移封されると、福島正則が広島城主となり、草津城下の山陽道に大門を設け、広島の西の関所としました。この際、草津城は破却されたと伝えられています。

その後、宮本氏がこの地を拝領し、第二次世界大戦終結まで宮本氏の屋敷が置かれました。しかし、山陽本線や宮島線の開通に伴い、城跡は用地買収に遭い、その姿を大きく変えることとなりました。

現在の草津城

現在、草津城の跡地はJR山陽本線と広島電鉄宮島線によって三分割されています。宮島線から国道2号線にかけての山裾の先端部分は、今も「城山」と呼ばれていますが、現在は宮本氏の手を離れ、丘の上の住宅街となっています。しかしながら、「草津城址」と刻まれた石碑が、前述の三分割されたうちの一番山側の山頂付近に建立されており、往時の面影を偲ぶことができます。

関連項目

草津 (広島市) - 草津町 (広島県)
草津漁港
日本の城一覧
佐東銀山城
三入高松城
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仁保城
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広島城

外部リンク

草津城発掘調査報告（1983年3月） (PDF) - 広島市教育委員会

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