入来院重嗣

入来院重嗣（いりきいん しげつぐ）は、戦国時代に活躍した武将であり、入来院氏の13代当主として知られています。

重嗣は、入来院重朝の嫡男として生まれました。天文15年（1546年）8月24日に初陣を飾り、その際、家臣である種子田秀高の活躍もあって、軍功を上げました。この功績により、島津貴久から褒美を賜っています。

しかし、重嗣の父である重朝は、その前年に島津貴久に対して反旗を翻しており、重嗣もまた、時期は不明ながら父の反乱に加担することになります。永禄2年（1559年）に貴久から感状を賜っている記録があるため、反乱への参加はその後のことと考えられています。

永禄9年（1566年）1月、祁答院良重が妻によって殺害されるという事件が起こります。この事件後、祁答院氏の家老であった大井実勝、高城重治、久富木重全の3名から、祁答院氏の全領地を重嗣が併せて領有してほしいとの申し出がありました。これを受け、重嗣は祁答院氏の領地を併合することとなりました。

永禄12年（1569年）には、菱刈氏が島津貴久の後を継いだ島津義久に降伏し、大口城が落城します。この状況を受け、重嗣は同じく島津氏に反旗を翻していた渋谷一族の東郷氏を説得し、同年12月28日、共に義久に降伏しました。この降伏の際、重嗣は全領地を進上しましたが、本貫地である入来院清敷のみは安堵されています。

重嗣は、年度は不明ながら12月2日に亡くなり、定観寺に葬られました。彼の生涯は、戦国時代の激しい動乱の中で、一族の存続と自らの立場を守るために奔走した武将の姿を映し出しています。

参考文献

『本藩人物誌』 鹿児島県史料集(13)　（鹿児島県史料刊行委員会）
『戦国人名事典』コンパクト版（新人物往来社） ISBN 4-404-01752-9

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