兪作柏

兪作柏の生涯と功績

兪作柏（ゆ さくはく）は、20世紀初頭の中華民国における重要な軍人であり、多くの歴史的変遷を経てその名を残しました。彼は1911年に中国同盟会に加入し、その後、さまざまな軍事活動に従事しました。特に新広西派に属し、重要な役割を果たしたことで知られています。

初期のキャリアと新広西派への加入

1916年に保定陸軍軍官学校の第3期歩兵科を卒業した兪作柏は、当初は旧広西派の林虎のもとで活動を始めました。しかし、1925年からは李宗仁と共に新広西派に転じ、旅長に任命されるなど、その影響力を増しました。この時期、彼は広西省の統一に向けた戦功を挙げ、国民革命軍第7軍の旅長として北伐にも参加しました。

政治的変遷と権力闘争

しかし、兪作柏の政治的立場は、李宗仁や白崇禧といった他の指導者たちと対立することになります。彼の農民運動への同情的態度が恐れられ、1927年には広西省政府の委員兼農工庁長に左遷され、権力を奪われました。同年の上海クーデターの際には広西省から追放され、やむなく香港に逃れました。

その後、兪作柏は蔣介石の支援を受けることになり、再度の政治的復権の道を歩むことになります。1929年には国民政府首都建設委員会の委員に任命され、広西省へ帰還し、反蔣戦争を企てる新広西派の指導者たちを駆逐しました。これにより彼は広西省政府主席に就任しましたが、その後すぐに反蔣の姿勢を鮮明にし、汪兆銘らと連携して護党救国軍の司令を自称しました。

敗北と復帰

しかし、兪作柏に背く軍人たちが現れ、蔣介石の支援を受けた粤軍が彼を攻撃し、敗北を喫します。その結果、彼は下野を余儀なくされましたが、1936年には陸軍少将の位を得て国民革命軍に復帰しました。この時期、日中戦争が勃発し、彼は第3戦区の忠義救国軍の中将司令として重要な役割を果たしました。

最晩年と政治活動

1946年には陸軍中将の位を授与されるものの、その後再び下野し、商売で生活することになります。香港にも一時移住しましたが、1956年には広州に戻り、広東省政治協商会議の委員や人民政府の参事を歴任しました。彼は1959年に広州で病に倒れ、73歳で生涯を閉じました。

兪作柏の人生は、中華民国の軍人としての活動を通じて、政治的な浮き沈みや権力闘争、戦争の影響を反映したものでした。彼の物語は、当時の中国の複雑な歴史を理解する上で欠かせない要素となっています。

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