八ツ森駅

八ツ森駅の概要

八ツ森駅（やつもりえき）は、かつて宮城県仙台市青葉区新川に位置していた東日本旅客鉄道（JR東日本）の仙山線の臨時駅でした。この駅は、2014年3月をもって廃止され、かつての活気を失いました。八ツ森駅は、その歴史と独自の魅力を持っていましたが、現在ではその姿を消しています。

歴史

八ツ森駅は、1937年に新設されました。当初は奥羽山脈を横断する仙山線の一部として、八森スキー場を利用するスキー客のために設けられた臨時の仮乗降場でした。当初のホームは枕木が並べられただけのシンプルなものでしたが、その後1961年に新川ラインが整備されてからは、山を楽しむ人々が訪れるようになりました。1967年度の平均乗降客は145人ということでした。

しかし1970年、八森スキー場が廃止されると、駅の利用者は減少し、春や秋に臨時列車が運行されるだけとなりました。特に2002年以降は全列車が停車しない状況が続き、利用はほとんど途絶えました。最終的には、2014年に廃止されることが決定されました。

駅の年表

• - 1937年11月10日: 八ツ森仮乗降場が開業。
• - 1987年3月31日: 臨時駅に昇格し、八ツ森駅に改称。
• - 1987年4月1日: JR東日本に属する駅となる。
• - 1990年3月10日: 営業キロが設定される。
• - 2002年11月4日: 最後の通常列車が到着。
• - 2002年12月: 臨時列車のみが停車。
• - 2014年3月15日: 廃止される。

駅の構造

八ツ森駅は、単式ホームを1面1線持つ地上駅でした。ホームは簡単な鉄パイプの上に木板が敷かれた構造であったため、改修作業が行われたこともあり、最終的にはコンクリート板に変更されました。でも駅舎や待合室、便所はなく、時刻表も設置されていませんでした。駅名標も、臨時駅に昇格した後も「八ツ森仮乗降場」としてそのままでした。広瀬川の支流、新川川に近く、構造自体は周囲の無人駅と同様に仙台市内の愛子駅の管理下にあったのです。

駅周辺は、新川地区の西端で、初ノ小屋集落に近いものの、最寄の住居まで200メートル以上離れていました。駅に通じる道は舗装されておらず、残念ながら熊やニホンザルなどの野生動物が出没する場所でした。公共交通機関も利用しにくく、鉄道ファンの間では秘境駅として知られていました。

駅の周辺情報

八ツ森駅周辺には、国道48号から続く舗装された道の終わりから細い山道が続いていました。この道は見通しが悪く、駅までのアクセスが難しいことから、訪れるには十分な覚悟が必要でした。また、地域の運行バスが2021年に廃線となり、さらに訪れづらくなりました。

最後に

八ツ森駅は、歴史的なスキー場の影響を受けて設けられた駅であり、今はその名残が薄れています。鉄道を利用する多くの人々にとっては過去の思い出となりつつあるかもしれませんが、それでも八ツ森駅の存在は鉄道の歴史としてしっかりと記憶され続けることでしょう。

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