八七会議

八七会議とは

八七会議（はちななかいぎ）は、1927年8月7日に中国共産党が漢口で開催した中央委員会の緊急会議を指します。この会議は、中国共産党にとって非常に重要な転換点となり、その後の方針や戦略を定める機会となりました。

背景と経緯

1927年の中国は、国内が不安定であり、特に4月12日の上海クーデターを契機に、国民党の影響力が急速に強まりました。蔣介石を中心とする国民党右派は、「清党」という名のもとに、中国共産党員の排除を進めました。具体的には、共産党員を武装解除し、職務から外す方針を強化していきました。また、左派の汪兆銘が指導する武漢国民政府でも、ソ連やコミンテルンからの援助が減少したことから、共産党員の排除に向けた動きが加速しました。

それに伴い、1927年7月15日、武漢国民政府は共産党員の職務停止を決定。中国共産党自身も自主的に武漢国民政府から脱退し、第一次国共合作は崩壊しました。この「分共」により、多くの共産党員は湖北省や湖南省に散って潜伏することとなりました。さらに、コミンテルンからの指導を受け、共産党中央は「南昌蜂起」という武装闘争を発動しました。

八七会議の開催

南昌蜂起の直後、8月7日に漢口で八七会議が開催されました。この会議の主な目的は、当時の指導者である陳独秀の誤りを清算し、今後の党の方針を確定することでした。会議は1日限りで、以下の3つの重要な議題が取り上げられました。
1. コミンテルンの代表による報告と『全党党員に告げる書』（《告全党党员书》）の発表
2. 瞿秋白の報告とそれに関連した決議
3. 中央政治局の改組

会議の中で決定された方針は、「土地革命及び中国国民党への武装反抗」であり、これが今後の中国共産党の行動の基盤となりました。特に、毛沢東が「武力で政権を打ち立てる（槍杆子里面出政権）」と述べたことは、以後の政権奪取に向けた共産党の姿勢を象徴する言葉として記憶されています。

また、会議の結果、陳独秀は指導的地位を失い、瞿秋白が臨時中央政治局委員の首班に選出されるなど、党内の権力構造にも変化が見られました。これにより、共産党は従来の運動スタイルから、積極的に武装した反乱を行う本格的な武装闘争に転換することが決定されました。

重要性

八七会議は中国共産党にとって非常に重要な歴史的な出来事であり、以後の農民や労働者による大規模な武装闘争への道を開くこととなります。この会議を契機に、共産党はその戦略を大きく変化させ、より武力を重視する方針へとシフトしました。会議で確立された方向性は、その後の中国における政治運動や歴史に深遠な影響を与えました。

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